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小木曽信裕

日常的な体の不安解消や運動習慣に役立つ知識を伝えるプロ

小木曽信裕(おぎそのぶひろ) / 理学療法士

THYME Physical Coorditioning Academy(たいむフィジカルコーディショニングアカデミー)

コラム

正しく知って認知症予防! 歩き方でわかる認知症予測【岐阜の理学療法士のコラム】

2022年5月29日

テーマ:認知症予防

コラムカテゴリ:美容・健康

コラムキーワード: 認知症予防

岐阜市の筋膜専門整体スタジオ「THYME(たいむ)」代表理学療法士の小木曽です。

毎年およそ 1000万人近く増加しているといわれている認知症。
このままでは2030年には8200万人、2050年には15200 万人に達するといわれています。
様々な要因で認知症のリスクは高まります。

年齢は認知症の最も強力な要因ですが、認知症は予防できる可能性が高いこともいわれています。


最近の研究によると、不活発や喫煙、不健康な食事、過剰な飲酒、社会的な孤立や知的活動の低下などといった生活環境が認知機能低下や認知症と関連していると指摘されています。
そして高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満など一定の病態が認知症の発症リスクと関連するともいわれています

また、認知効能の低下がある認知症の人と認知機能の低下がない人の間にあるのがMCI(軽度認知障害)です。
認知症の症状は記憶力の低下や時間・場所などの状況把握の困難、理解力・判断力の低下、物事の段取りを整えることや効率よく行動できない、言語自体の理解や意志の表現がうまくできない、動作や物の操作ができない、そこにあるはずのものが認識できないといった認知症自体の中核症状と、本人の性格や周囲の環境、人間関係などの要因によって引き起こされる抑うつ、幻覚、妄想、帰宅願望などの精神症状と徘徊、興奮、暴力・暴言などの行動異常があります。
この認知症になる手前の状態をMCI(軽度認知障害)といいます。


MCIの定義としては
・記憶障害が年齢や教育レベルを考慮しても客観的に存在する
・本人の記憶障害(物忘れ)の自覚、または家族(情報提供者)からの証言がある
・全般的な認知機能は正常である
・日常生活活動は正常に行えている
・認知症ではない(重要!)

となります。
MCIの人は日常生活活動はほぼ正常に行えているため、家族や周囲の人が気付きにくい症状のため、非常に難しい問題です。
ですが、MCIの疑いがある人は65歳以上の人の15~25%といわれており、自分や家族がMCIであることを気づかないまま生活している人も少なくないと考えられます。


MCIには「物忘れが主体の健忘タイプ」、「複数の脳の機能にまたがった軽微な障害があるものの認知症とは言えないタイプ」、「記憶以外の脳の機能であきらかな障害があるタイプ」の3つがあります(2001年)。

上記のMCIの定義は「物忘れが主体の健忘タイプ」のもので、記憶障害のみが認められるタイプの判断基準になります。

「複数の脳の機能にまたがった軽微な障害があるものの認知症とは言えないタイプ」、「記憶以外の脳の機能であきらかな障害があるタイプ」については、さらに記憶障害のある・なし、障害がひとつだけか複数かなどで判断されます。詳しくは医師の診断を受けられると良いでしょう。


MCIの記憶障害は年齢による物忘れと違い、少し前のことでも忘れることが多くなる、新しいことが覚えられないといった特徴がみられます。

また、認知機能の低下がうかがえる症状としては、しりとりをしながら歩いたり、ラケットに乗せたテニスボールを落とさないように歩いたりといった同時に2つ以上のことがしにくくなる、家事や仕事での失敗が以前よりも増えるなどの変化がでてきます。


ですが、MCIはまだ改善可能な状態です。
脳トレ、新聞や読書、ゲーム、楽器演奏などの認知トレーニングや、大きな歩幅で歩くことなどを心がけることで改善が可能といわれています。


歩行に注目してみましょう。
あなたの歩幅は狭くないですか?
歩幅の狭い人は将来、認知症になるリスクが高いかもしれません。


群馬県と新潟県に在住の65歳以上の方1000人以上を対象とした調査があります。
この調査では、ひとりひとりの歩幅を調べて「歩幅が狭い人」「歩幅が普通の人」「歩幅が広い人」の3つのグループに分け、最長4年にわたり「認知機能の低下がないか」を調査しています。


その結果、「歩幅が狭い人」の認知機能の低下が最も多く、「歩幅が広い人」の認知機能の低下よりも3.39倍多いことがわかりました。
つまり、「歩幅が狭い人」は「歩幅が広い人」よりも認知機能低下のリスクが3倍以上あることになります。


脳の中でも、脳の前頭領域や運動野の大きさのほか、脳の血流が落ちてくると歩行速度が遅くなり歩幅が狭くなることがわかってきています。
つまり脳の状態が歩幅に反映されているともいえます。


一度認知症の診断がつく水準となった方については、様々な要因によって歩幅から認知症を改善することは少し難しいかと思います。
ですが、認知症の前段階である「MCI(軽度認知障害)」や「認知機能の低下」ですんでいる場合は、十分に改善の可能性があります。


歩幅が狭い人は、今からでも歩幅のコントロールをしていきましょう。
歩幅をコントロールすることで脳が活性化し、脳への血流改善などの効果があります。


10~15m先を見ましょう!
腕を前後で60度の振り幅を意識して振りましょう!
同じ歩幅を意識しましょう!
そして普段の歩幅より1歩(5㎝)前へ!


正しく歩くことで筋膜もからだになじみやすくなり、動かしやすいからだづくりをしやすくなります。


正しい知識とトレーニングをこころがけて筋膜の正常化と健康寿命の延伸を図っていきましょう!
当スタジオでもあなたのかかりつけ理学療法士が肩こり・腰痛、姿勢など様々なおからだの健康相談を承っております。
お気軽にご相談ください!

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