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佐藤浩明

消化器内科専門医で「内視鏡検査」のプロ

佐藤浩明(さとうひろあき) / 内科医

さとうクリニック内科・消化器科

コラム

屋外作業時は体感温度30度程度でも熱中症の危険?

2018年7月20日

テーマ:医療マメ知識

コラムカテゴリ:医療・病院

コラムキーワード: 熱中症 対処熱中症 予防

屋外作業時は体感温度30度程度でも熱中症の危険?

 おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘屋外作業時は体感温度30度程度でも熱中症の危険?’という報告です。

 屋外で長時間の作業に従事する人は、熱指数(温度と相対湿度から算出する体感温度)が摂氏29.4度程度であっても熱中症で死に至る可能性のあることが、米国労働安全衛生局による研究で明らかになった。同研究者らが屋外作業中に熱中症になった25症例を検討したところ、死亡した14例中6例は作業時の熱指数が摂氏32.8度未満であったことが分かった。

 この研究で同研究者らは屋外での勤務中に発生した熱中症の25症例に着目。このうち14例が死亡した。それぞれの症例について、熱中症のリスク因子の保有状況や熱への順化度、仕事量や作業負荷、服装について詳しく調べた。その結果、25例中12例が肥満や糖尿病、高血圧、心疾患、降圧薬や利尿薬などの特定の薬剤や違法薬物の使用といった熱中症のリスク因子を一つ以上保有していたことが分かった。また、発症当時には死亡した14例中13例は中等度以上の負荷がかかる作業を行っていた。服装をみると、25例中4例は通気性の悪い厚手の服を着用していた。さらに、25症例全体では、発症時の熱指数の中央値は摂氏33.3度であったが、その幅には28.3度から43.3度までばらつきがみられた。

 同氏は、夏場に屋外で作業するときは厚着を避けて吸湿性や通気性のよい素材の服を選び、こまめに水分補給をすることを強く勧めている。水分補給時には塩分を含んだ経口補水液などを摂取し、脱水をもたらすカフェインの過剰摂取は避ける必要があるとしている。その他の注意点は以下のとおり。
・気温と湿度の上昇をモニター(監視)し、予防策を講じる責任者を決める。
・作業を始める前に、高温多湿の作業環境に作業者の身体を慣れさせる。熱中症のリスク因子がある人には特に注意を払う。
・日陰や冷房の効いた場所でこまめに休憩する。
・水分や電解質を補給できる飲み物を準備する。

 今夏は特に酷暑と言われており、熱中症による救急搬送も急増している様です。上述されている様に思った程の高温環境下ではなくても熱中症は発症する様ですし、男性が発症しやすいとも言われている様ですので今年の夏は特に注意が必要ですし、それに対する備えが大事かも知れませんね。

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佐藤浩明

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