歯の損失が認知症のリスク?
赤ワインの認知症リスク、男女で逆?
おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は’赤ワインの認知症リスク、男女で逆?’という報告です。
赤ワインの摂取頻度が高いと、男性ではアルツハイマー型認知症(AD)リスクが低下するが、女性では逆にリスクが上昇することが、スイス・チューリッヒ大学の研究で示唆された。単一の“認知的健康”食品が認知機能低下を防げるかどうかのエビデンスは限られている。そこで著者らは、赤ワイン、白ワイン、コーヒー、緑茶、オリーブオイル、新鮮な魚、果物・野菜、赤身肉・ソーセージについて、単一食物摂取調査票で摂取頻度を評価し、AD発症および言語記憶の低下との関連を調査した。
対象は75歳以上の2,622人で、10年にわたって定期的にフォローした(418人がAD発症)。その結果、赤ワインのみが摂取頻度が高いとAD発症率が低かった(危険率:0.92倍)。興味深いことに、これは男性(危険率:0.82倍)のみ当てはまり、女性では赤ワイン摂取頻度が高いとAD発症率が高く(危険率:1.15倍)、白ワイン摂取頻度が高いと、時間とともに顕著に記憶が低下した(危険率:-0.13倍)。本研究では、赤ワインにおいて男性のみADリスクが低下したが、それ以外の単一食品において認知機能低下に保護的であるというエビデンスは見いだせなかった。なお、女性は飲酒により有害な影響を受けやすい可能性が示唆された。
以前から女性の方が男性よりも少量の飲酒で依存症になりやすいことも知られており、アルコールに対する耐性に男女差があるとされていました。赤ワインの認知症リスクにもこの様な違いがあるというのは少し驚きでした!