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結婚は心臓にも良く効く薬?
おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘結婚は心臓にも良く効く薬?’という報告です。
結婚は健康に良い影響を与えることがさまざまな研究で明らかにされているが、心筋梗塞や脳卒中といった心血管疾患を予防する効果を示唆する研究結果が発表された。欧米やアジア、中東などさまざまな国や地域の男女を対象とした34件の研究を解析した結果、結婚している人と比べて結婚歴がない人や離婚または死別により独身となった人では心血管疾患を発症するリスクが約1.4倍で、心筋梗塞や脳卒中による死亡リスクも約1.4~1.5倍であることが分かったという。この研究は、英キール大学の研究者らが実施したもの。同氏らは今回、1963~2015年に発表された婚姻状況と心血管疾患リスクとの関連を評価した34件の研究を抽出し、これらの研究に参加したアジアや欧州、中東、北米、スカンジナビアにおける42~77歳の男女計200万人超のデータを用いて解析を実施した。
その結果、結婚している人と比べ、結婚歴がない人や離婚または死別により独身となった人では心血管疾患リスクは42%、冠動脈疾患リスクは16%高く、冠動脈疾患による死亡リスクは43%、脳卒中による死亡リスクは55%高いことが明らかになった。また、男女ともに離婚した人は冠動脈疾患リスクが35%高く、配偶者と死別した人は脳卒中リスクが16%高いことも分かった。この研究結果について、同氏らは「婚姻状況が心臓病や脳卒中、これらの疾患による死亡の独立したリスク因子である可能性が示された」と話している。ただし、この研究は因果関係を証明したものではなく、今後は婚姻状況が不健康な生活習慣や心血管リスク因子の代替マーカーとなるのか、婚姻状況そのものがリスク因子であるのかを検討する必要があると付け加えている。
なお、結婚が健康に有益である理由にはさまざまな説がある。例えば、健康面で問題が生じた場合、配偶者がいると早期発見や早期治療につながりやすい。また、結婚している人は積極的に治療を受け、服薬アドヒアランス(遵守)に優れるほか、経済的に安定し、心身が健康で幸福な状態にある可能性が高く、交友関係が広い人が多いと考えられ、これらが結果的に健康に好ましい効果をもたらしている可能性があるという。
近年は独身の方が増加傾向にある様ですが、少子化だけではなく自分自身の健康にも影響がありそうです。やはり、伴侶を持つことは大事な様ですね。