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コラム

夏目漱石の胃潰瘍もピロリ菌の仕業?

医療コラム

2018年5月10日

夏目漱石の胃潰瘍もピロリ菌の仕業?

おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘夏目漱石の胃潰瘍もピロリ菌の仕業?’というお話です。

 明治の文豪 夏目漱石は明治43年42歳のとき胃潰瘍と診断され、6週間の入院治療をした。退院後は修善寺温泉へ療養にいったものの、宿に入って8日目の8月17日と19日に吐血した。24日には大量に吐血し、人事不省となり、多くの仲間や門人が宿に駆けつけた。のちに「修善寺の大患」と呼ばれる大事件である。8月末、ようやく快方にむかい、初めて口にした粥を味わって「こんなに旨い物はない」と悦びにひたった。

 退院後、元気を取り戻し、翌年夏には関西へ講演旅行に出かけた。だが大阪では講演直後、胃潰瘍が再発してしばらく入院した。大正2年にも3度目の胃潰瘍を患ったが、なんとか回復することができた。漱石は22歳のときの身体検査で身長158.7センチ、体重52.3キロ、胸囲79センチあったが、度重なる胃病のため晩年は痩せが目立ち、髪や髭もすっかり白くなって老け込んだという。

 大正5年秋、4度目の胃病が生じた。11月に漱石は知人の結婚式に出席したが、翌日、自宅で激烈な胃痛を覚えた。それから数日間は絶食して軽快しつつあったが、同月末に意識を失った。腹部が太鼓のように膨れあがり、医師は胃腸に内出血が生じたものと診断した。12月初めに排便の際に自ら腹圧を試みたその瞬間、また急に倒れて昏睡状態に陥った。絶対安静をはかるも12月9日午後6時、危篤状態となり、その後こと切れた。享年49。翌日、病理解剖が行われ、胃潰瘍からの大量出血による失血死と判明した。

 近年、豪州のマーシャルとウォーレンは胃炎や胃十二指腸潰瘍の成り立ちにピロリ菌の感染が深く関わっていることを発見し、2005年度のノーベル医学・生理学賞に輝いた。漱石は生前「死ぬときは苦しみに苦しみ、『こんなことなら生きているより死んだほうがよい』と納得してから死にたい」といったが、そのことば通り凄絶な最期を迎えた。漱石が現代に生きていて胃潰瘍はピロリ菌退治で治ると知ったら、今度はなんというだろうか。
*夏目漱石の胃潰瘍はピロリ菌の仕業だった? 篠田達明先生の医療コラムを抜粋し、一部改変

 ピロリ菌の発見後、約20年が経過し、当クリニックでもピロリ陽性の患者さんには積極的に除菌治療を行っています。日本を誇る文豪である夏目漱石も現代なら、除菌治療でこの様な大変な思いをしなくても良かったのでしょうね。

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