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腫瘍マーカー検査には注意?
おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘腫瘍マーカー検査には注意?’という報告です。
人間ドックの「腫瘍マーカー検査」は、採血だけでできるがん検診だ。患者のがんの進行具合を把握するのにとても役立つが、健康な人が利用してもがんの早期発見はかなり難しく、専門家もマーカーの使い方には注意を呼びかけている。「人間ドックで腫瘍マーカーが陽性でした。詳しく調べてください」。府中病院の津村先生は、来院者からこんな相談をよく受ける。腫瘍マーカー検査で疑われたがんを見つけようと、内視鏡で胃や大腸、CTを使って胸などを精密に調べたりする。だが、腫瘍マーカーの数値の上昇だけでがんが見つかるケースは極めてまれだ。同医師が「大丈夫でしたよ」と説明しても、患者は「マーカーが『がん』を示しているのだからきっとあるはず。費用はいくらかかってもいい。もっと検査して見つけてください」と言って疑心暗鬼になるという。
がんになると特徴的なたんぱく質が作り出される。そのうち、主に血液中で測れるものが「腫瘍マーカー」として検査で応用される。国立がん研究センターなどによると、腫瘍マーカーは現在約15種類。たんぱく質の量が基準値以上に増えると「がんの疑い」と判定される。腫瘍マーカーでがんが見つかりにくいのはなぜなのか。同医師は「検査を評価する指標の『感度』と『特異度』がいずれも低いことが関係している」と説明する。感度は高いほど見落としが少なく、100%だと基準値以上は全て「病気」となる。特異度は高いほど病気を特定でき、100%だと基準値以下なら全て「病気でない」となる。
具体的には「CEA」という腫瘍マーカーがあり、その感度と特異度は高くても80%程度だが、1000人が検査を受けた場合、検査で「がんの疑い」と判定されるのは計206人。このうちがんは8人となるので陽性的中率は4%でしかない。感度、特異度が80%の検査でも、健康な人にとって「低い」と言われる理由だ。
学会もガイドラインで、腫瘍マーカーについて「がんの早期発見には適していない」と明記。診察や画像検査からがんが強く疑われる人にだけ腫瘍マーカーを使うよう指導する。さらに、がんであることを突き止められない腫瘍マーカー検査の弊害もあり、「がんの疑い」と判定された後も、本当にがんがあるかないかを確定させるためにはいくつも精密検査を行わなければならず、いずれも公的な医療保険が使われるからだ。同医師は「健康な人が受ける腫瘍マーカー検査は、医療経済の面からしても無駄が多い」と批判する。*毎日新聞の記事より抜粋し、一部改変
当クリニックにも上述の様な患者さんが時折来院されますが、同じ様に医学的にはあまり必要とは思われない様な追加検査をせざるを得ない状況になることが多々あります。健診施設としては腫瘍マーカーは検査代としても結構高額なので検査を勧めるのかも?知れませんが、あまり意味のないことが多いので検査を選択するかどうかは十二分に検討する必要があると思われます。