高齢者は歩行で長生き？

おはようございます。福島市さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘高齢者は歩行で長生き？’という報告です。

　これまでの研究では、高齢者の日常的な歩行活動の評価はアンケートに基づいている。今回、愛媛大学の研究者らは、客観的に歩行活動を評価する手段として歩数計を用いて、歩数と全死因死亡率の関連を検討した。その結果、1日平均歩数が多いと全死因死亡率が低いことが示唆された。

　本研究には、身体的に自立している地域在住の71歳の日本人419人（男性228人、女性191人）が参加した。1日の歩数は、ベースライン時に連続7日間、腰に装着した歩数計で測定した。1日平均歩数によって参加者を四分位に分け（第1四分位：4,503歩/日未満、第2四分位：4,503～6,110歩/日、第3四分位：6,111～7,971歩/日、第4四分位：7,972歩/日以上）、平均9.8年間（1999～2010年）追跡した。

　主な結果は以下のとおり。
・追跡期間中に76人（18.1％）が死亡した。
・1日平均歩数の各四分位における死亡の危険率（性別、BMI、喫煙、飲酒、薬剤服用を調整）は、最低四分位から順に1.00（基準）、0.81、1.26、0.46であった。

　この結果からすると歩けば歩くほど長生きということではなさそうですが、やはり歩くことは長生きには寄与しそうなことは間違いなさそうです。でも、高齢になってから突然歩けと言われても難しそうですのである程度早い時期からの開始が重要かも？知れませんね。