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コラム

医師の刑事訴追がもたらす負の効果?

医療環境

2018年5月7日

医師の刑事訴追がもたらす負の効果?

おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘医師の刑事訴追がもたらす負の効果?’というお話です。

 2004年の年末に帝王切開手術を受けた妊婦が死亡したことを原因に、2006年に手術を担当した産科医が逮捕・起訴されたいわゆる福島県立大野病院事件は、「医療(特に産科)崩壊を招いた」と言われてきた。実際に、大野病院事件がどのような効果を産科医療にもたらしたのかを分析した筆者の論文が掲載されたので、その内容を簡単に紹介したい。大野病院事件は、福島県の検察官が他の都道府県の検察官とは異なる「特異な」起訴裁量の運用をしたことを明らかにした。とすれば、福島県を処置群とし、他の都道府県を対照群とすることで、福島県の検察官が行った、この「特異な」起訴裁量の運用がもたらした効果を測定できるはずである。

 そこで、大野病院事件の前後において福島県の医師数にどのような変化が発生したのかを推定してみた。産科医と産婦人科医の合計数(人口10万人当たり)、および婦人科医の数(同)について、福島県と反事実=福島県で大野病院事件がなかったと仮定した場合を比較すると大野病院事件は福島県において産科に携わる医師を2010年までに13%減少させ、他方で婦人科医の数を一時的に10%ほど増加させた。福島県においては、大野病院事件の後、多くの産婦人科医が、リスクの高い産科に携わるのをやめ、リスクの低い婦人科に転科した可能性が高い。

 さらに2008年に大野病院事件について無罪判決が確定した後でも、医師数の減少に歯止めはかかっておらず、医師という職業については、刑事罰に至らずとも刑事訴追そのものが非常に強力な影響を持っていることがわかる。そもそも、医療過誤のような不法行為が発生した場合の法的処理としては、民事責任(損害賠償)と刑事責任とが存在する。これらの法的責任は、医師に社会的に適切な行為を取るためのインセンティブを与えるために存在している。そして、本来であれば、民事責任の追及のみで適切なインセンティブは設定できるはずであり、刑事責任が発動されるのは、原則として故意犯など例外的なケースに限定されてきた。
 医師に対し、業務上過失致死傷罪という形で刑事責任を問うことは、強過ぎる抑止のインセンティブを与えているのではないかという疑念を、今回の分析は示唆する。*東北大学教授 森田果先生のコラムを抜粋し、一部改変

 いわゆる県立大野病院事件はここでも述べられている様に極めて稀有な事件であり、そこに色々な力が働いていた節はありますが、少なくとも福島県における産科医療を崩壊に導いたのは間違いないと思われます。産科医療においては実は不確定要素が多く、普通に生まれてきて当たり前と考えられてはいますが、何らかのトラブルがあれば不幸な結果を招きかねないことも事実です。極々一部を除いて、医療関係者は真摯に医療の臨んでおり、結果で本来民事責任は問われることがあっても刑事責任を問われるということは本来は医療事故にはそぐわないものと思われますし、そのことでこの様な医療崩壊を招いたことを考えると当時の福島県の司法の判断は間違いだったと言わざるを得ません!

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