減量後に食欲が増すのはなぜ?
骨折予防にサプリは有用なのか?
おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘骨折予防にサプリは有用なのか?’という報告です。
米国予防医学専門委員会(USPSTF)は、2013年に発表した「成人の骨折予防を目的としたビタミンDおよびカルシウム(Ca)のサプリメント摂取」についての勧告を改訂した。2013年以降に発表された報告を合わせて解析した結果「地域在住※の成人に対し、骨折の予防(初発予防、以下同)を目的にビタミンDおよびCaサプリの単独あるいは併用摂取を推奨するためのエビデンスは十分でない」との結論に達し、従来通り「骨折予防目的でのビタミンD、Ca摂取を推奨しない」こととした。
今回、USPSTFは2013年以降に発表されたビタミンDまたはCa日の摂取と骨折の関連を検討した論文に関してレビューを行った。その結果を見ると、ビタミンD 400IU/日以下の単独摂取試験(2件)では骨折の有無に有意差は生じなかったのに対し、高用量摂取試験(①初回20万IU、その後10万IU/月摂取②4カ月間隔で10万IU摂取)では一部の骨折の有無でのみ有意な低下が示された。
ビタミンDとCaのサプリを併用した2試験のうち、3万6,282例を対象としたWomen's Health Initiative(WHI)試験(ビタミンD3 400IU/日+Ca 1,000mg/日)では、いずれの骨折の有無についてもプラセボ群とサプリ群で有意差が認められなかった。もう1件の試験(ビタミンD 700IU/日+Ca 500mg/日)では、大腿骨近位部骨折に関する有意差は見られなかったが、非椎体骨折についてはサプリ群で有意に低下していた。
今回の勧告内容は①骨折予防を目的としたビタミンDおよびCaの単独あるいは併用摂取での現時点で有用であるか否かは不明②骨折予防を目的とした高容量ビタミンDおよびCa摂取も現時点で有用であるか否かは不明 ③骨折予防を目的としたビタミンDおよびCaの摂取は推奨されない。ただし、この勧告は地域在住の無症候の成人を対象としており、骨粗鬆症性骨折の既往を有する者、転倒リスクの上昇が認められる者、骨粗鬆症またはビタミンD欠乏症と診断されている者には適用されないと明記している。
日本でもよくコマーシャルなどでサプリが如何にも有用であるかの如く宣伝されていますが、少なくとも米国での結果では有用性は乏しい様です。