サザエさん症候群?
ビタミンD不足を補うには?
おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘ビタミンD不足を補うには?’というお話です。
現在、世界的にビタミンD不足が問題となり、その原因の一つとして「紫外線を必要以上に避けている事」が挙げられています。ここで大切なのは、どの程度紫外線を浴びるとメリット(ビタミンD生成)があり、どの程度浴びるとリスク(皮膚の健康悪化)となるのか知ることです。
健康に欠かせないビタミンDを十分生成し、肌へのダメージを減らすためには、「出来る限り多くの肌を露出させることが有効」とされています。それは皮膚の露出部分を拡げることでビタミンD生成量が皮膚面積に応じて増加するためで、「広範囲」に「短時間」の日光を浴びることが肌のダメージを最小限にして必要なビタミンDを生成するポイントだといえます。
紫外線により生成するビタミンD量の基準値が「10μg」とされていますが、その理由は厚生労働省の「血液中に適切なビタミンDを保持し、ビタミンD欠 乏症のない日本人の成人は1日当たり 5.5μg のビタミンDを摂取している」という報告と、海外の文献等で「成人の必要摂取量が1日15μg とされている」ことなどから、日本人の健康な人は平均的に1日10μg程のビタミンDを紫外線によって補っていると考えたことが根拠になっています。
因みに主な食べ物の100グラム中のビタミンD含有量はきくらげ(乾燥):440μg, あんこうの肝:110μg, しらす干し:61μg, イワシのみりん干し:53μg, すじこ:47μg紅鮭:33μg, 干しシイタケ:17μg程度とされており、この様な食品を意識して摂取することも大切かも?知れません。
ビタミンD欠乏に起因する典型的な疾患にはくる病、骨軟化症、骨粗鬆症があります。その他、ビタミンDは数種類のがん、糖尿病、高血圧、耐糖能異常、多発性硬化症、慢性関節リウマチの予防や治療にも効果が期待されていることから、紫外線を浴びるだけではなく、食品やサプリメントも活用しつつ、過不足なく摂取することが 健康の維持増進にとって重要です。
*(株)ヘルシーパス提供の医療コラムを抜粋し、一部改変
兎角、悪者にされがちな紫外線ですが、当然のことながら必要以上に浴びるのは問題でしょうが、広範囲で短時間の暴露は必要なことでしょうし、最近は近視の一因に外遊びが少なくなり日光を浴びなくなったことも挙げられている様ですから小さいうちからきちんと日光を浴びることは重要な様です。