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米国のインフルエンザ大流行はワクチンのせい?

佐藤浩明

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テーマ:インフルエンザ

米国のインフルエンザ大流行はワクチンのせい?

おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘米国のインフルエンザ大流行はワクチンのせい?’という報告です。

 米疾病対策センター(CDC)は今シーズンに米国で最も多くの患者をもたらしたH3N2型のインフルエンザウイルスに対するワクチンの予防効果は25%にとどまるとの分析結果を明らかにした。米国では例年を大幅に上回る規模でインフルエンザの感染が拡大しているが、その一因としてワクチンの効果の低さが指摘されていた。今回の分析結果はそれを裏付けるものとなった。

 今回の報告によると、今シーズンに流行した全ての型のインフルエンザに対するワクチンの効果は36%、今シーズンに大流行しているH3N2型(A型インフルエンザウイルスの亜型の一つ)に対するワクチンの効果は25%と推定された。一方、2009年に大流行し、その後も毎シーズン感染が報告されているH1N1型に対しては67%、B型インフルエンザに対する効果は42%と推定された。6カ月以上8歳未満の小児では、全ての型のインフルエンザウイルスに対するワクチンの効果は59%と推定された。

 今シーズンはワクチンの製造時に予測されたウイルス型と実際に流行したウイルス型との一致率が低かったが、今後はワクチンによる効果が期待できるH3N2型以外のウイルスの感染が広がる可能性があることから、CDCは「ワクチンをまだ接種していない人は、今からでも接種してほしい」と呼び掛けている。

 良いニュースもある。CDCは2月4~10日の一週間にインフルエンザが報告された州は43州で、前週の48州から減少したことを明らかにした。また、米国の医療機関を受診した全患者に占めるインフルエンザ様症状の患者の割合も2月4~10日は7.5%となり、前週の7.7%から減少した。しかし、依然としてインフルエンザによる入院率は上昇し続けており、2月4~10日の10万人当たりの入院率は67.9人と前週の59.9人から増加した。今シーズンにインフルエンザが原因で死亡した小児は2月10日までに84人となった。

 これは今シーズンの米国における現状で日本とは状況が違うと思われます。実際、日本ではどちらかというとA型よりもB型インフルエンザがメインで流行していますからワクチンの効果はそれなりにあったものと考えます。事実、私の私見ではありますが、今シーズンはインフルエンザに罹った方の大半はワクチン未接種だった印象があります。例年、インフルエンザ疑いで来院された方にはインフルエンザワクチン接種の有無をお聞きするのですが、今シーズンはワクチン不足でもあったため未接種でインフルエンザに罹患した方がいつもに比べて多い感じです。上述されてもいますが、まずはインフルエンザ予防にはワクチン接種が重要であるのはいうまでも無いようです。

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佐藤浩明
専門家

佐藤浩明(内科医)

さとうクリニック内科・消化器科

患者さんに寄り添う医療体制で、「経鼻内視鏡検査」に取り組み、内科・消化器疾患の徹底した検査と治療を行います。信条の「人と、地域と向き合う医療」という姿勢を守り、より高い専門性をもって地域に貢献します。

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