心臓老化物質の正体?
糖尿病に新しい食事療法の可能性?
おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘糖尿病に新しい食事療法の可能性?’という報告です。
早稲田大学理工学術院の研究グループは体内時計の調整にたんぱく質やアミノ酸が豊富な食事が有効であることを発見した。とくにアミノ酸の一つであるシステインに高い作用があった。これまで炭水化物に認められていた機能だが、肥満防止や糖尿病治療には低炭水化物食が好まれている。今回の発見によって、将来的に炭水化物による食後の高血糖を避けながら体内時計を調整できる新しい食事療法を開発できる可能性がみえてきた。
体内時計とは生物が持つ時間を測定する仕組みのこと。24時間よりずれているため、外界からの刺激によって24時間周期に同調させる必要がある。この仕組みは脳ばかりでなく、肝臓などの臓器にも備わっている。脳の時計は光によって同調するが、臓器は食事によって調整される。これまで炭水化物の摂取によって血糖値が上昇すると、これにともなうインスリンの分泌によってもたらされることが知られていた。
今回研究グループでは、たんぱく質が豊富な食事でも同調が起きることを発見した。さらに、たんぱく質の分解物であるアミノ酸のなかでは、システインが最も高い作用を持つことも明らかにした。肥満防止や糖尿病治療には低炭水化物食が好まれているが、体内時計の調節機能は弱くなる。今回、安価なアミノ酸であるシステインでも十分に食事性同調を引き起こすことが明らかとなり、糖尿病における食事療法の新たな選択肢になる可能性がある。今後、研究グループでは体内時計の同調効果が高いアミノ酸の組み合わせを探っていく。
糖尿病には食事療法と運動が基本ですが、今までは低炭水化物食が主流でしたが、今回の発見で新たな食事療法の可能性が出てきたことは非常に画期的なことだと思われます。今後のさらなる研究の進展が待たれるところです。