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コーヒーは益か害かに結論?

佐藤浩明

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テーマ:コーヒーの効用

コーヒーは益か害かに結論?

おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘コーヒーは益か害かに結論?’という報告です。
 コーヒー摂取による不眠や心拍数の増加、血圧の上昇などといった負の報告がある中、1日3杯程度のコーヒー摂取により全死亡のリスクが17%有意に低下するなど、同程度の摂取だと害より益に働くことが、英・University of Southamptonの研究者らによる検討で示された。しかし米・ Johns Hopkins Bloomberg Schoolの研究者は同誌の付随論評で「疾病予防のために医師はコーヒー摂取を勧めるべきではない」と釘を刺している
 コーヒーには抗酸化、抗炎症や抗線維化をはじめ1,000以上の作用があるといわれている。コーヒーは世界で最も飲まれている飲料の1つであり、摂取規模を鑑みると健康に関する重要な要素になるともいえる。既存の研究は、コーヒー摂取が全死亡、がん、心血管・代謝・神経・筋骨格・消化器などの疾患ならびに妊娠に及ぼす影響について、断面研究や症例対照またはコホート研究に基づく解析によって検討されたものであった。
 今回の研究ではコーヒーを1日3杯摂取する群では、摂取しない群に比べて全死亡のリスクが17%有意に低下し、心血管死および心血管疾患のリスクは19%、15%といずれも有意に低下した。また、3杯以上の摂取による健康への害はなかった一方、明らかな便益も認められなかった。がんリスクについては、コーヒーを多く飲む群ではそうでない群に比べて前立腺がん、子宮体がん、肝がんなどの有意な低下が見られ、がん全体では18%有意に低下した。
また妊婦では、コーヒー摂取が害に作用することが分かった。コーヒーの摂取量が、少ないまたは摂取しない妊婦に比べて、多い妊婦では出生児の低体重の危険率が1.31倍、妊娠早期の早産は1.22倍、妊娠中期の早産は1.12倍、流産は1.46倍と、いずれも有意に高かった。さらにコーヒー摂取を1日1杯追加した女性では追加しない女性に比べて、骨折リスクの有意な上昇(危険率1.05倍)が見られた。今回の結果を踏まえ、同研究者らは「妊婦や骨折リスクのある女性を除き、1日3〜4杯程度のコーヒー摂取であれば健康に与える便益は害を上回る可能性が高いと考えられる」と結論した。
 なお別の研究者は「医師は疾病予防を目的としてコーヒー摂取の習慣を推奨すべきではない。今回の研究で示されたように、妊婦や骨折リスクを有する女性では摂取による害があり、摂取量の増加による健康への影響については明らかでない」と指摘している。また、コーヒーを摂取する際には精製された砂糖や脂肪分を含む乳製品が添加される食行動を挙げ、健康に悪影響をもたらす可能性があるとしている。
 最近はコーヒーの健康に及ぼす影響に関して有益性が高く評価される報告が多く見受けられていましたが、今回の宝庫国においてもそれが再認識された形となった様です。ただ、妊婦さんはコーヒー飲用は控えめにした方が無難な様です。

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佐藤浩明
専門家

佐藤浩明(内科医)

さとうクリニック内科・消化器科

患者さんに寄り添う医療体制で、「経鼻内視鏡検査」に取り組み、内科・消化器疾患の徹底した検査と治療を行います。信条の「人と、地域と向き合う医療」という姿勢を守り、より高い専門性をもって地域に貢献します。

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