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非喫煙女性肺がん発症に飲酒が影響?
おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘非喫煙女性肺がん発症に飲酒が影響?’という報告です。
生涯非喫煙者における肺がんの病因はほとんどわかっていない。スペイン・コルーニャ大学病院の研究者らが、ケースコントロール研究の解析で、生涯非喫煙者における肺がんリスクにおける飲酒の影響を検討したところ、ワインと蒸留酒の摂取が、とくに女性で、肺がんリスクを増加させる可能性が示唆された。ただし、本研究の限界を考慮すると本結果を慎重にとらえるべき、と著者らは述べている。
本研究は、スペイン北西部で行われた6件の多施設ケースコントロール研究を統合した。ケース群、コントロール群とも、生涯非喫煙者であった。解剖病理学的に肺がんを確認した症例を選択し、参加者すべてに個別にインタビューした。
主な結果は以下のとおり。
・ケース群が438人、コントロール群が863人であり、年齢中央値はそれぞれ71歳と66歳であった。組織型は腺がんが多く、全症例の66%を占めていた。
・アルコール飲料の種類別の危険率は、ワインが2.20倍、蒸留酒が1.90倍、ビールが1.33倍であった。
・女性では上記の結果と同様であったが、男性ではどのアルコール飲料でも明らかなリスクは認められなかった。
・アルコール飲料別の用量反応分析では、明確なパターンが示されなかった。
女性は本来、男性と比べてアルコールの代謝等も悪いということは以前から知られていましたが、飲酒そのものが肺がん発症に影響するというのは少し驚きです。ただ、この報告にも述べられている様に非喫煙女性の場合には受動喫煙等の問題も関連している可能性は十分ありますので一概に飲酒だけが肺がん発症の原因と考えるのは早計かも知れません。