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コラム
北海道で肺がんが多いのは何故?
2017年11月6日
北海道で肺がんが多いのは何故?
おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘北海道で肺がんが多いのは何故?’という報告です。
面積が広大な北海道では、がん対策においても特有の課題が存在する。国立病院機構北海道がんセンターの研究者は、全国ワースト1位である北海道の肺がん死亡率に関する現況やその原因について第58回日本肺癌学会で解説。「さまざまな指標を活用した原因特定と二次医療圏ごとのがん対策が必要である」と述べた。
わが国のがん死亡に占める肺がんの割合は男女とも最多である。中でも、北海道は肺がん死亡率が全国1位である。北海道における肺がんの罹患率は、男性では75歳以上で特に高くなっているのに対し、女性では40歳から上昇しているのが特徴だ。全国平均と北海道で肺がんによる年齢調整死亡率の経年変化を比較すると、1995~2015年まで一貫して北海道は全国平均よりも高いレベルで推移しており、年間変化率(APC)も全国の−0.7に対し、北海道では−0.4と減少幅が小さい。男女別に見ると、女性の全国平均APCが−0.4であるのに対し、北海道では0.6と著明な増加傾向を示している。
さらに他の課題として北海道で肺がん死亡率が高い原因として、喫煙率の高さが挙げられる。男性は全国平均に比べて高いが、女性では突出して高いという。その一方、肺がん検診受診率は全国で最も低く、特に女性の低さが顕著である。こうした現状を鑑み、北海道における肺がん罹患率と死亡率を改善するためには、予防と早期発見、治療成績の向上という3つの観点からのアプローチが必要と考えられる。北海道がん対策推進計画の具体的な対策としては、①都道府県がん拠点病院である北海道がんセンターによるがん情報(がん登録など)のより正確な把握②がん検診無料クーポン券の配付(がん検診受診率の向上)③北海道がん診療連携指定病院の整備(現在24病院を指定済み)‐などである。
なお、北海道のがん専門医の数は全ての二次医療圏に派遣できるほど多くはなく、がん専門医がいない地域では、一般呼吸器専門医や内科専門医などが肺がん診療を行っている。しかしながら、同研究者の発表後の質疑応答ではフロアから「過去20年間に呼吸器専門医の数が関東では3,000人増えた一方で、北海道では全く増えておらず、拠点病院に医者を派遣したくてもできない。北海道で医療均てん化を実現するためには、地域による偏在と専門分野による偏在という2つの問題を解決しなければ前進できない」との意見が寄せられ、北海道の肺がん診療の課題として呼吸器専門医の不足も指摘された。
やはり、肺がんには喫煙の影響が大きく関係している様です。私自身の印象としては専門領域が違う影響もあるのかも?知れませんが、肺がんが増えているという実感はあまりありません。ただ、時折肺がんの患者さんを診療する機会があるのですが、発見時にはかなり進行していて治療に難渋することも経験しています。やはり、どんながんもその予防対策と早期発見が大事であることは言うまでもない様です!
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