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オキシトシンで肥満予防?

佐藤浩明

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テーマ:医療界の新発見?

オキシトシンで肥満予防?

おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は’オキシトシンで肥満予防?’という報告です。
  一般に「愛情ホルモン」などと呼ばれるオキシトシンには肥満改善効果があり、その効果は高脂肪食を摂取して肥満しているほど高い可能性があることを、福島県立医科大学薬理学の下村教授らの研究グループがマウスを用いた実験で明らかにした。オキシトシンによる減量効果は、通常食を摂取した肥満していないマウスでは弱まることも分かった。
 脳の下垂体後葉などから分泌されるホルモンの1つであるオキシトシンは、出産時の子宮収縮や母乳の分泌に関わるだけでなく、母性や人間関係の形成など社会的行動に関与するほか、抗ストレス作用や食欲を抑えて肥満を改善する作用なども報告されている。研究グループは今回、これまでの臨床研究では結論が得られていないオキシトシンによる肥満改善効果に着目。オキシトシン投与後のマウスの体重減少効果を性別、体重、肥満分布といったメタボリック症候群に影響するさまざまな因子別に分析し、どのような条件下で体重減少がより効果的にもたらされるのかを検討した。
 研究では、高脂肪食を与えて太らせたマウスと通常食を与えた太っていないマウスそれぞれに、一定量のオキシトシンまたは対照とした生理食塩水を10日間投与し、10日後にCT検査により体脂肪率や脂肪分布を測定。性別や体重、肥満分布ごとにオキシトシンによる体重減少効果を調べた。
 その結果、高脂肪食を与えた肥満マウス(体脂肪率は約36%)では、雌雄ともにオキシトシン投与により体重が減少し、その減量率は対照群との間に有意差がみられたほか、初期の体重が重いほど体重減少効果が高まることが分かった。また、高脂肪食を与えた肥満マウスでは、オキシトシン投与により皮下脂肪だけでなく内臓脂肪の脂肪量も雌雄ともに15~20%減少した。一方で、通常食を与えた非肥満のマウス(体脂肪率は約10%)では、こうしたオキシトシンによる体重減少効果は、高脂肪食を与えた肥満マウスと比べて小さかった。研究グループは今回の研究データについて、将来、オキシトシンを肥満治療に応用する際の重要な基礎データになるものと期待を示している。
 将来的にはもしかするとオキシトシンが抗肥満薬として役立つ日が来るかも?知れませんね。大学の後輩達がこの様な形のでの研究結果を発表してくれるのは心強い限りです。

17.10.1 Spitz

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専門家

佐藤浩明(内科医)

さとうクリニック内科・消化器科

患者さんに寄り添う医療体制で、「経鼻内視鏡検査」に取り組み、内科・消化器疾患の徹底した検査と治療を行います。信条の「人と、地域と向き合う医療」という姿勢を守り、より高い専門性をもって地域に貢献します。

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