福島県の健康指標はさらに悪化?
震災関連死は発生1ヶ月間が最多?
おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘震災関連死は発生1ヶ月間が最多?’という報告です。
震災関連死など震災、原発事故の間接的な影響による相馬、南相馬両市民の死亡リスクは、震災発生後1カ月間が最も高かったとの研究成果を相馬中央病院の研究チームがまとめ、発表した。研究では、2006(平成18)~10年の両市の総死亡者6163人のデータと、11~15年の震災の直接死と診断された人を除く総死亡者6125人のデータを比較した。
その結果、震災後の死亡リスクは発生から1カ月間で有意に上昇しており、この間多い死亡原因は肺炎、脳卒中、冠動脈心疾患、がんの順だった。研究チームは理由について「災害後の避難に伴う持病の悪化、または地域コミュニティーや医療インフラがダメージを受けたことによって地域住民の健康が維持できなくなったためと考えられる」と考察している。
また、死亡リスクの上昇は85歳以上の女性では災害から3カ月間にわたって続いており、「災害の間接的な健康リスクが、高齢者ではより深刻に、より長期にわたって続く可能性がある」と指摘している。一方、「災害の間接的な影響による死亡は震災直後は深刻だったものの、その後は統計的に検出できないレベルまで小さくなっている」と、震災関連死による死亡が数年にわたって持続している状況にはないことも指摘した。
今回の東日本大震災時には津波による被害が甚大ではありましたが、その後の震災関連死もかなり多く認められていた様です。本報告では医療情報の共有の重要性に関しては言及されていませんが、今後この様なインフラの整備がさらに必要になってくるだろうと思われます。