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コラム
寒冷や高温曝露で心血管疾患のリスク増大?
2017年8月24日
寒冷や高温曝露で心血管疾患のリスク増大?
おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘寒冷や高温曝露で心血管疾患のリスク増大?’という報告です。
暑さや寒さへの曝露が心血管死亡リスクにどの程度影響しているのかについて、テヘラン医科大学の研究者らが調査した。本研究では研究者らは、MEDLINE、Web of Science、Scopusなどのデータベースで、気温と心血管死亡率に関する2000年1月~2015年末の研究を検索し、統合された短期的効果の大きさについて、高温曝露と寒冷曝露で別々に計算した。また、緯度、経度、曝露から死亡までのlag(日)、年平均気温について、それぞれの単位当たりの変化による気温と心血管死亡率の関係を評価した。
主な結果は以下のとおり。
・心血管死亡率は、寒冷曝露で5%(相対危険度(RR):1.055倍)、高温曝露で1.3%(RR:1.013倍)増加した。
・男性の心血管死リスクに対する寒冷および高温曝露の短期的影響は、それぞれ3.8%(RR:1.038倍)、1.1%(RR:1.011倍)であった。
・女性の心血管死リスクに対する寒冷および高温暴露の短期の影響は、それぞれ4.1%(RR:1.041倍)、1.4%(RR:1.014倍)であった。
・高齢者では、高温および寒冷の曝露で心血管死リスクの増加はそれぞれ8.1%、6%であった。
・lagについては、寒冷曝露での心血管死リスクは14日で最大(RR:1.09倍)であり、高温曝露では7日で最大(RR:1.14倍)であった。
・寒冷暴露では、緯度・経度と心血管死リスクの間に有意な関係がみられ、緯度および経度が1度上がるごとに、それぞれ心血管死リスクが0.02%、0.007%、有意に上昇した。
・高温曝露では、緯度が上がるにつれて心血管死リスクが増加した。
今回の報告をみる限りにおいてはやはり高温曝露よりは寒冷曝露の方が心血管疾患への影響は大きい様です。最近は地球温暖化の影響もあり、日本においては暑さが厳しくなり、熱中症への関心が高まった様にも感じますが、こと心血管系へは寒さの影響の方が深刻な様です。
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