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高齢者高血圧治療のポイントは?
おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘高齢者高血圧治療のポイントは?’という報告です。
高齢者の高血圧診療の目的は健康寿命の延伸である。高齢者においても降圧治療による脳卒中や心筋梗塞、心不全をはじめとする脳血管疾患病や慢性腎臓病の1次予防、2次予防の有用性は確立しているため、高度に機能が障害されていない場合は、生命予後を改善するため年齢にかかわらず降圧治療が推奨される。生活習慣の修正についても、併存疾患等を考慮しつつ、積極的に行うことが推奨されている。
高齢者への降圧治療による認知症の発症抑制や、軽度認知障害(MCI)を含む認知機能障害のある高齢者高血圧への降圧治療が、認知機能悪化を抑制する可能性が示唆されているものの、一定の結論は得られていない。よって、現段階では認知機能の評価により、降圧治療を差し控える判断や降圧薬の種類を選択することにはつながらないため、原則として認知機能にかかわらず、降圧治療を行う。ただし、認知機能の低下がある場合などにおいては、服薬管理には注意する必要がある。一方、過降圧は認知機能障害のある高齢者高血圧において、認知機能を悪化させる可能性があるので注意を要する。
降圧治療を開始する際には、骨折リスクを増大させる可能性があるので注意を要する。一方で、サイアザイド系利尿薬による骨折リスクの減少は多数の研究において一貫した結果が得られているため、合併症に伴う積極的適応を考慮したうえで、転倒リスクが高い患者や骨粗鬆症合併患者では積極的にサイアザイド系利尿薬を選択することが推奨される。もっとも使用頻度が高く、有用性の高い降圧薬であるCa拮抗薬は夜間頻尿を助長する可能性が示唆されている。そのため、頻尿の症状がある患者においては、本剤の影響を評価することが推奨される。
高齢者高血圧の降圧目標としては65~74歳では140/90mmHg未満、75歳以上では150/90mmHg未満が推奨されている。また、年齢だけでなく病態や環境により、有用性と有害性を考慮することが提案されており、身体機能の低下や認知症を有する患者などでは、降圧薬治療開始や降圧目標を個別判断するよう求めている。エンドオブライフにある高齢者においては、降圧薬の中止も積極的に検討する。また、高齢者の降圧療法の原則の1つである「緩徐な降圧療法」として、「降圧薬の初期量を常用量の1/2量とし、症状に注意しながら4週間~3ヵ月の間隔で増量する」などといった、具体的な方法が推奨されている。
日本のような超高齢化社会においては最近では様々な疾患に対しての治療ガイドラインも年齢や認知症の有無によって目標値に様々な工夫がなされる様になって来ました。それはある意味では当然のことで今まで年齢を考慮せずに一律に基準を考えて来たことの方が不自然であり、今後はさらにこのような傾向は進んでいくものと考えられます。
初体験のTDSのアトラクション...なかなかスリリングでした(笑)