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コーヒーや茶で肝疾患予防?

佐藤浩明

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テーマ:コーヒーの効用

コーヒーや茶で肝疾患予防?

おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は「コーヒーや茶で肝疾患予防?」という報告です。
 コーヒーやハーブティーを日常的に飲むと慢性肝疾患を予防できる可能性があることが、オランダ・エラスムス医療センターの研究者らの研究で示唆され、「Journal of Hepatology」オンライン版に掲載された。これらの飲料は、慢性炎症により肝臓が硬くなって瘢痕化する肝線維化を防ぐのに有用かもしれないという。
 この研究では、コーヒーと茶に肝臓の保護効果があるかを調べるため、肝疾患のない45歳以上のオランダ人2,400人超のデータを検討した。肝線維化の程度を調べた超音波検査などの医療記録を調べるとともに、飲食物の摂取頻度に関する調査票の回答も分析。コーヒーと茶の摂取量に基づいて対象者を3群に分け、さらにハーブティー、緑茶、紅茶など茶の種類にも注目した。
 その結果、年齢や性、体格指数(BMI)、食事内容などの生活習慣を考慮しても、コーヒーを頻繁に飲む人では肝線維化のリスクが4.1%と、たまに飲む人(6.9%)や全く飲まない人(7.8%)に比べて有意に低いことが分かった。一方、茶については、ハーブティーの摂取量のみが肝線維化リスクの低下に関連していた。全体として、肝疾患を示す症状が何もみられない一般の人では、ハーブティーとコーヒーを頻繁に摂取すると肝臓の保護効果が得られ、瘢痕化を防ぐようであることが明らかになった。
同氏は、「糖分や加工食品の多い西洋式の食生活が一因となり、肥満や非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)が急増している。コーヒーや茶の飲用は、生活に取り入れやすく安価に行える健康法であるため、先進国における実用的な対策となるだろう」と話す。過去の研究でも、コーヒーが肝酵素上昇、ウイルス性肝炎、脂肪肝、肝硬変、肝がんに対して有益であることが示唆されている。その正確な機序は明らかでないものの、コーヒーの抗酸化作用が関与すると考えられる。そのため、慢性肝疾患のない人でも同様の効果が得られるのかを明らかにすべく、今回の研究が実施された。ただし、同氏らは「本研究はコーヒーと茶が実際に肝臓の健康を向上させたと証明するものではなく、また、対象者の摂取していた飲料の種類が多様であったため、その効果について信頼性の高い推定結果を得ることはできなかった」と説明している。
 コーヒーに関しては最近、色々とその効用に関する報告が多く見受けられますが、今回も肝疾患予防にも好影響があるというのはコーヒー好きの私にとっても心強いデータです!
17.6.25 花々

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佐藤浩明
専門家

佐藤浩明(内科医)

さとうクリニック内科・消化器科

患者さんに寄り添う医療体制で、「経鼻内視鏡検査」に取り組み、内科・消化器疾患の徹底した検査と治療を行います。信条の「人と、地域と向き合う医療」という姿勢を守り、より高い専門性をもって地域に貢献します。

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