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小児肥満の増加で糖尿病発症が急増?

佐藤浩明

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テーマ:糖尿病関連の報告

小児肥満の増加で糖尿病発症が急増?

おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は「小児肥満の増加で糖尿病発症が急増?」という報告です。
 小児肥満は世界規模で増加しつつある。米国における小児肥満の有病率は過去10年間安定しているが、高度肥満の有病率は上昇を続けており、とりわけ少数民族でその傾向が強い。米・NIHの研究者らは2型糖尿病の発症リスクが高いアメリカインディアンの小児・青年を対象に、その発症リスクを長期縦断研究で調査し、結果を報告。肥満度の上昇に伴い2型糖尿病発症率が増加すること、より高度の肥満は発症の重大な危険因子であることを指摘した。
 この縦断研究は、1965~2007年の43年にわたって継続されてきた、米国南西部のアメリカインディアン地域社会における糖尿病と関連合併症に関する調査に基づく。5~18歳未満の小児・青年を対象に、①20歳未満の若年発症②45歳未満の成人早期発症の2型糖尿病発症率を算出した。今回の研究には、①5~10歳未満(小児)2,728例②10~18歳未満(青少年)4,317例が組み入れられた。これらの対象を、45歳または2型糖尿病発症まで追跡した。
 小児では、約10年の追跡期間中に98例が糖尿病を発症した。一方、青少年では約5年の追跡中に111例が発症した。では、糖尿病発症率と体格指数(BMI)との関係はどうか。その結果、小児、青少年のいずれにおいても、肥満度の増加に伴い、糖尿病の発症率が増加し、超高度肥満群では正常体重群の10~18倍に達することが明らかになった。これに対して、45歳未満の糖尿病成人早期発症は、若年発症ほどではないものの、やはりBMIの最高位群では正常体重群の3~4倍に増加することが分かった。
  これらの成績から、同研究者は「小児・青年期からの高度肥満は、2型糖尿病若年発症の重大な危険因子であることが分かった。青少年における糖尿病発症率の上昇は、小児肥満の蔓延に関連しており、高度肥満の増加に大きく影響を受けている。血糖値異常の長い曝露を伴う糖尿病の早期発症は、関連合併症を増加させ、早期死亡リスクをも増す危険がある」との見解を示した。
 近年、日本でも小児肥満の増加は問題視されてきているようですが...元来、糖尿病を発症しやすい日本人ですから肥満率の増加は糖尿病発症に直結するものと考えられます。今回の報告も踏まえてさらに年少期からの体重管理には気をつける必要があるようです!

17.6.25 紫陽花

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専門家

佐藤浩明(内科医)

さとうクリニック内科・消化器科

患者さんに寄り添う医療体制で、「経鼻内視鏡検査」に取り組み、内科・消化器疾患の徹底した検査と治療を行います。信条の「人と、地域と向き合う医療」という姿勢を守り、より高い専門性をもって地域に貢献します。

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