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コラム
高齢糖尿病では低すぎる血糖で認知症による危険?
2017年3月9日
高齢糖尿病では低すぎる血糖で認知症による危険?
おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は「高齢糖尿病では低すぎる血糖で認知症による危険?」という報告です。
ヘモグロビンA1c(HbA1c)は、糖尿病患者のQOL維持のための血糖コントロール改善の重要な指標とされているが、高齢者には低過ぎるHbA1cが害を及ぼす恐れがある。今回、金沢医科大学の調査により、地域在住の高齢2 型糖尿病患者において、HbA1cと要支援/要介護認定のリスクがJ字型(あるHbA1c値を最低としてそれより高くても低くてもその危険が増す)を示すことが報告された。また、高齢の2型糖尿病患者での低過ぎるHbA1cが、認知症による後年の障害リスクに関連する可能性が示唆された。
同研究者らは、血糖降下薬またはインスリンを投与されている65~94歳の糖尿病患者184例を調査した。エンドポイントは初回の要支援/要介護認定および/または死亡で、HbA1c(4区分)と要支援/要介護認定リスクおよび/または死亡との関係について解析した。
主な結果は以下のとおり。
・5年間に42例が初回の要支援/要介護認定を受け、13例が死亡した。
・HbA1cと要支援/要介護認定リスク(年齢、性別等を調整)との関係は、HbA1cが6.5%以上7.0%未満で最低となるJ字型を示し、6.0%未満では要支援/要介護認定リスクが増加し、最低レベルに比べた危険率は3.45倍であった。
・HbA1cが6.0%未満の患者では、6.0%以上の患者と比較し、(関節痛/骨折や脳卒中など他の障害ではなく)認知症によって要支援/要介護を認定されるリスクが高かった(危険率12.5倍)。
数年前からは糖尿病患者さんの目標とするHbA1c値は年齢や認知症の有無により三段階に分類されるようになりました。認知症があったり、日常生活に支障があるような糖尿病患者さんではHbA1c値8%以上というより高い値が設定されています。これは今回の報告でも示されている様に高齢糖尿病患者さんにおいては高血糖よりも低血糖の方がより転倒などの危険性が高いということを配慮してのことです。血糖を下げるホルモンはインスリンしかないのに対して上げるホルモンは沢山あるという事を考えるとある意味生命維持には低血糖にならないことの方が余程、重要ということかも知れませんね!
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