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佐藤浩明

消化器内科専門医で「内視鏡検査」のプロ

佐藤浩明(さとうひろあき) / 内科医

さとうクリニック内科・消化器科

コラム

キノコ摂取で認知症予防?

2017年4月6日

テーマ:認知症予防?

コラムカテゴリ:医療・病院

コラムキーワード: 認知症予防

キノコ摂取で認知症予防?

おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は「キノコ摂取で認知症予防?」という報告です。
現在までの研究においてキノコの神経保護作用や認知症を予防する可能性が示されているが、キノコと認知機能低下の関連について調べた研究は少なく、関連が明らかになっていなかった。今回、一般住民を対象とした大崎研究2006において、キノコの摂取頻度が高い高齢者では認知症発症のリスクが低いことが、世界で初めて明らかになった。
 本研究の対象は、調査開始時点で65歳以上であった宮城県大崎市の住民1万3,230 人。ベースライン時のアンケート調査により、キノコの摂取頻度で「1回未満/週」「1~2回/週」「3回以上/週」の3群に分け、「1回未満/週」群を基準として、認知症発症との関連を検討した。認知症発症の危険率は、性別、年齢、体格指数(BMI)、既往歴(脳卒中、高血圧、心筋梗塞、糖尿病、高脂血症)、教育、喫煙、飲酒、歩行時間、心理的ストレス、食物摂取量などの因子を調整し算出した。
 主な結果は以下のとおり。
・追跡期間は5.7年間で、認知症発症率は8.7%であった。
・キノコの摂取頻度が1回未満/週の群と比べた認知症発症の危険率は、1~2回/週では0.95倍、3回以上/週は 0.81倍であった。
・この逆相関は、最初の2年間で認知症を発症した参加者と、ベースライン時に認知機能が低下していた参加者を除外した場合も同様であった。
なお、本研究の限界として、キノコ摂取頻度をベースライン調査のみで評価しているため頻度の変化が考慮されていない点、キノコの種類が不明である点などがある。
キノコが健康に良いということは知られていましたが、認知症予防にもそれなりに効果があるというのは少し驚きです。私自身もキノコ類はなめこ・しめじ・えのき・エリンギなどもよく食べますし、季節になれば時折松茸なども食べることもあり好きな食材の一つではあります。

17.4.5 桜
 こちら福島でも遅まきながら早咲きの桜は一部開花したようです!

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