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メタボの短時間睡眠には注意?
おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は「メタボの短時間睡眠には注意?」という報告です。
米ペンシルバニア大学の研究者らは、睡眠ポリグラフで測定した客観的な睡眠時間と脳血管疾患および心血管疾患による死亡リスクとの関連を検討した結果、メタボリックシンドロームで睡眠時間が短い人はメタボリックシンドロームでない人に比べて死亡リスクが有意に高いと発表した。同氏らによると、従来の研究の多くは患者の自己申告によって睡眠時間を評価しており、睡眠ポリグラフによる測定を実施していないため、睡眠呼吸障害が影響因子となる可能性を除外できなかったという。
解析対象は、睡眠障害に関する研究において一般人口から抽出した成人1,344例。睡眠検査室で睡眠ポリグラフによる測定を1晩実施し、平均で16.6年間追跡した。平均睡眠時間は5.9時間であった。睡眠呼吸障害を含む多因子で調整した解析の結果、メタボリックシンドロームと睡眠時間との間に有意な交互作用が認められた。メタボリックシンドロームではない被験者と比較したメタボリックシンドローム患者の全死亡の危険率は、6時間以上の長時間睡眠群では1.29倍、6時間未満の短時間睡眠群では1.99倍であった。同様に、脳・心血管疾患による死亡の危険率は長時間睡眠群で1.49倍、短時間睡眠群では2.10倍であった。短時間睡眠で血糖調節障害を有するメタボリックシンドローム群では2.2倍、短時間睡眠で血圧上昇を有するメタボリックシンドローム群では2.5倍にリスクが上昇した。肥満、高コレステロール血症、高トリグリセライド血症のみのメタボリックシンドローム群では有意なリスク上昇が認められなかった。
以上の結果から、同研究者らは「睡眠時間が短いとメタボリックシンドローム関連の脳・心血管疾患による死亡リスクが上昇する」と結論付けている。また、「メタボリックシンドローム患者における短時間睡眠は中枢性の自律神経障害および代謝機能障害の重症度に関連する可能性がある」との見解を示し、「今後の研究では睡眠時間の短いメタボリックシンドローム患者を病態生理学的に評価し、睡眠時間の延長がメタボリックシンドローム患者の予後を改善するかどうかを検討すべきである」と述べている。
メタボでは基本的に高血圧症・糖尿病・高脂血症の予備群ですから色々なリスクがあるのは当然ですが、それに短時間睡眠が加わるとさらに危険性が増すということが示されたと言うことになります。睡眠の意味に関しては色々と言われてはいますが、肉体的な疲れを取ることはいうまでもなく、脳のリフレッシュ機能なども言われていますから...メタボにならないのが一番ではありますが、現時点でメタボといわれている方々は少なくともそれなりの睡眠時間を確保した方が様々なメリットがあるかも?知れませんね!
昨夕の帰り道での夕陽...今の時期の夕陽は幻想的にすら見えますね!