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心筋梗塞と脳卒中ではリスクに違い?
おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は「心筋梗塞と脳卒中ではリスクに違い?」という報告です。
冠動脈疾患(CHD)と脳卒中には共通のリスク因子があるが、CHDと脳卒中との関連の大きさや向きが異なる因子がある。藤田保健衛生大学の研究者らは、アジア人における冠動脈疾患(CHD)と脳卒中による死亡において、各リスク因子による影響が異なるかどうかを、日本人の大規模研究であるJACC(Japan Collaborative Cohort)Studyで検討した。その結果、高血圧との関連は一致したが、喫煙や糖尿病など他のリスク因子については一致しなかった。
本研究は、ベースライン時にがん、冠動脈疾患(CHD)、脳卒中の既往がない40~79歳の10万4,910人について、1988~2009年に追跡調査した。リスク分析を用いて、各リスク因子と最終的に冠動脈疾患と脳卒中を発症するか否かとの関連の違いを調べた。
主な結果は以下のとおり。
・中央値19.1年間の追跡期間中、冠動脈疾患(CHD)により1,554人が死亡し、脳卒中により3,163人が死亡した。
・高血圧と冠動脈疾患(CHD)との関連性は、大きさ・向きとも脳卒中と類似していた(発症における危険率冠動脈疾患(CHD) vs.脳卒中:男性 1.63倍 vs.1.73倍、女性 1.70倍 vs.1.66倍)。
・これらの関連の大きさは、喫煙(同:男性 1.95倍 vs.1.23倍、女性2.45倍 vs.1.35倍)および糖尿病(同:男性 1.49倍 vs.1.09倍、女性 2.08倍 vs.1.39倍)では異なっていた。
・人口寄与割合は、冠動脈疾患(CHD)においては男性では喫煙、女性では高血圧が最も高く、脳卒中においては男女とも高血圧が最も高かった。
以前から喫煙への冠動脈疾患発症への寄与は取り沙汰されていましたが、今回の報告でもそれが裏付けられたようです。少し前にはなりますが、あるサッカー選手が心筋梗塞でなくなるということがありました。昔であれば30代のましてやスポーツ選手が心筋梗塞で亡くなるということは考えられませんでしたが、30代などの若い年代で心筋梗塞を発症するのは善玉のHDLコレステロールが低値であるか、喫煙をしているかのいずれかが関連しているという報告もあります。彼が喫煙していたかどうかは定かではありませんが、家族に冠動脈疾患発症の既往のある方で善玉のHDLコレステロール値が低い方は今後の喫煙は検討する余地がありそうです!
本格的な春を迎え、桜以外の花々も咲き出したようです!