運動で糖尿病に伴う認知機能が改善?
高齢者では睡眠時間増で認知症?
おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は「高齢者は睡眠時間増で認知症?」という報告です。
高齢者の1日9時間以上の睡眠は脳変性の初期徴候ならびに認知症リスクが上昇していると考えられる可能性があるとの研究結果が明らかになった。フラミンガム研究の解析。研究グループは、フラミンガム研究に参加した2457人の定期健康診査結果を用いて検討を実施。参加者の平均年齢は72歳。追跡期間10年で234人(全例の10%)が何らかのタイプの認知症に罹患。全例の8%に当たる181人がアルツハイマー病と診断されていた。96人(4%)が追跡開始時点で9時間以上睡眠していると回答しており、75人(3%)が睡眠時間が9時間未満から9時間以上に変化したと回答していた。解析の結果、9時間以上睡眠していた人は、そうでない人に比べ認知症発症率が2倍上昇。睡眠時間が9時間未満の認知症発症率は9%(2361例中215例)だったのに対し、9時間以上の群の認知症発症率は20%(96例中19例)であった。
追跡期間中に睡眠時間が9時間未満から9時間以上に移行した群の認知症リスクは2.5倍(75例中16例)、アルツハイマー病のリスクは2倍(75例中11例)とより高かった。追跡開始以前(13年前)から1日の睡眠時間が9時間以上の人の認知症リスク上昇は見られなかった。
1日の睡眠時間が6-9時間の場合に対し、9時間以上の場合は思考処理やタスク実施能力が低下し、脳容積が減少していた。研究グループによると両群の検査スコアの差は年齢にして12歳、脳容積の差は5歳分に相当していた。ただし、今回の検討は認知症発症患者数が少数であるために、年齢による差の推計は正確ではないとの見解もあわせて示している。また、睡眠時間がより長い群は高校の学位がない、軽度の認知機能障害を有する人の割合が多かった。これらの因子は認知症の予測因子とされている。高校の学位を持たない人で高齢期の1日の睡眠時間が9時間以上だった場合の認知症リスクはそうでない群の6倍上昇していた。研究グループは、今回の検討から睡眠時間が長くなることが神経変性疾患の早期のマーカーとなる可能性が示唆されたと結論。ただし、睡眠時間を減らしても認知症リスクは低下しないだろうとの見解を示している。
早起きをするようになると「それは年をとってきたせいだよ...」などと昔から言われていたような気がしますが、子供さんならいざ知らず高齢者で睡眠時間が9時間以上というのはどうも寝過ぎのようですね。確かにそれ程の活動量がないにも関わらず、9時間以上も寝ないといけないとなるとかなり睡眠の質が悪い可能性も考えられますので...そういう事がアルツハイマー病や認知症発症のリスクになっているのかも?知れませんね!
昨日の吾妻小富士。ここ数日来の暖かさのせいで山頂付近の雪もようやく融け始め、雪うさぎが顔を出し始めたようです。福島にも遅い春が訪れました!