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大気汚染への曝露で糖尿病発症?

佐藤浩明

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テーマ:糖尿病予防

大気汚染への曝露で糖尿病発症?

おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は「大気汚染への曝露で糖尿病発症?」という報告です。
ヒスパニック系米国人の小児を対象とした研究で、高レベルの大気汚染への曝露により2型糖尿病リスクが上昇する可能性が示された。「小児期に高レベルの大気汚染に曝露すると、ヒスパニック系小児の肥満リスクが増加し、またそれとは独立して2型糖尿病の発症リスクも増加することがわかった」と、研究著者である米南カリフォルニア大学の研究者は述べている。同氏によると大気汚染が子どもの肥満と糖尿病リスクに及ぼす影響は、異なる経路をたどるとしている。この研究は、ロサンゼルス郡に在住するヒスパニック系の過体重または肥満の小児314人(研究開始時の年齢は8~15歳)を対象としたもの。
解析の結果、大気汚染レベルが高い地域に住む小児では、18歳時点でインスリンを産生する膵β細胞の機能が正常よりも13%低下していることがわかった。インスリンは血糖値を適正レベルに維持するホルモンであり、膵β細胞の機能が障害されると2型糖尿病を発症するリスクが高まると、著者らは述べている。
 しかし、今回の研究は両者の因果関係を証明するものではなく、研究に参加した小児のなかで研究期間中に2型糖尿病を発症した子どもはいなかった。研究指導著者である同大学の別の研究者は、「糖尿病は米国をはじめ先進国で蔓延している。糖尿病患者の増加は、座りがちな生活習慣や高カロリーな食生活で肥満が増えたことが主因と考えられているが、今回の研究では、大気汚染が2型糖尿病のリスクに寄与することが示された」と述べている。
米国疾病管理予防センター(CDC)によると、米国の糖尿病は過去40年間で4倍に増加しており、2050年までに国民の3分の1が糖尿病になり、さまざまな合併症リスクにさらされることになると、著者らは述べている。
 では、大気汚染による悪影響を予防するにはどうすればよいのか?筆頭著者である同大学の研究者は、汚染への曝露を避けるのはほぼ不可能であるとしつつ、「大気汚染は、とくにロサンゼルス近郊では至る所に広まっている。朝夕の通勤時間帯はランニングをするのをやめるなど、大気汚染源の近くや汚染がピークに達する時間帯に戸外で活動しないよう、自身の1日のスケジュールを見直すとよいだろう」とアドバイスしている。
 糖尿病発症の要因には遺伝的な素因が大きく影響していることは以前から知られています。さらに脂質を中心とした過剰なカロリー摂取や運動不足などの生活習慣が加わり、血糖を下げる膵臓からのインスリン分泌の低下傾向にある我々日本人を含めた東アジア系の民族は欧米人に比して糖尿病を発症しやすいと言われています。今回の報告ではさらに大気汚染も糖尿病発症に影響している可能性が示唆されたことにより、飽食の時代を迎えた昨今では今後は益々、生活習慣の改善に気をつけなければならないと思われます。
       
17.3.1 有馬温泉
 昨晩より有馬温泉に来ています。鉄を含んだ赤湯...なかなか良い感じでした!

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専門家

佐藤浩明(内科医)

さとうクリニック内科・消化器科

患者さんに寄り添う医療体制で、「経鼻内視鏡検査」に取り組み、内科・消化器疾患の徹底した検査と治療を行います。信条の「人と、地域と向き合う医療」という姿勢を守り、より高い専門性をもって地域に貢献します。

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