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コラム
ビフィズス菌で糖尿病予防?
2017年9月25日
ビフィズス菌で糖尿病予防?
おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘ビフィズス菌で糖尿病予防?’という報告です。
江崎グリコは、独自のビフィズス菌「BifiX(ビフィックス)」がインスリン感受性(インスリンの効きやすさ)を改善する可能性を確認した。ヒト介入試験によって同ビフィズス菌の摂取で糞便中のビフィズス菌が有意に増加することが分かった。インスリン感受性の高まる可能性はBifiX増加と深く関わっていることが示唆された。今後、詳細なメカニズムの解明に向けた追求を進めていく。
東京農工大学との共同研究による成果でヒト介入試験は血糖値が正常な成人男女80人に協力してもらい、比較試験を実施。BifiXを1日700億個、12週間にわたり摂取してもらうことで、プラセボ(疑似食)摂取グループとの比較を行った。糖負荷後の血糖値上昇抑制効果は確認できなかったが、インスリン感受性の指標にあたる「Matsuda−Index」の変化量が有意に高い値を示すことを確認した。被験者の糞便を調べたところ、ビフィズス菌数が有意に増加することも確認された。一方、基礎研究として実施した肥満モデルマウスの同ビフィズス菌投与試験からは、筋肉、脂肪組織のインスリンシグナルを調節することで、インスリンの感受性低下を抑制することが確認されている。
BifiXは、正式名「Bifidobacterium animalis ssp.lactis GCL2505」で、江崎グリコグループが保有する乳酸菌・ビフィズス菌ライブラリー1万株のなかから選び出した健康機能を持つヒト由来のビフィズス菌。一般的なビフィズス菌に比べ胃酸、胆汁酸に対する耐性が強く、生きて腸まで届き腸内で増殖することがこれまでの研究で分かっている。腸内で増殖することによって短鎖脂肪酸の一つである酢酸を産生、その受容体を活性化し体全体のインスリン感受性を上昇させる効果が期待できるという。
最近、腸内細菌による研究が長足の進歩を遂げ、難治性の炎症性腸疾患に対する便移植なども行われる様になって来ています。今後この分野の研究がさらに進むと様々な疾患の治療に腸内細菌が活躍する場がどんどん増えて来そうです!
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