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尿酸こぼれ話

佐藤浩明

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テーマ:医療マメ知識

尿酸こぼれ話

おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は「尿酸こぼれ話」です。
4年に1度、私たちにたくさんの感動と勇気を与えてくれるオリンピック。その選手たちの未来を脅かす病をご存じでしょうか?それは高尿酸血症です。実は1964年の東京オリンピックの日本代表選手について、17年後の血液検査結果を調べたところ、男性48.6%、女性43.8%と半数近くが高尿酸血症であったことがわかっています。このように優秀なスポーツ選手において高尿酸血症の発症率が高いのは、連日の激しいトレーニングによる尿酸産生亢進、そして腎血流量低下がもたらす尿酸排泄低下が原因とされています。
しかし、すべてのスポーツが尿酸値を高めるわけではありません。
米国の横断的研究では、長距離走者において血清尿酸値の低下が示されているほか、イタリアのトップクラスのスキー選手を対象にした試験でも血清尿酸値は対照群より低い結果でした。これには運動の種類や強度の違いが関与しています。では、どの程度の運動で尿酸値は高まるのでしょうか?
スポーツと尿酸代謝の関係を考えるに当たっては、嫌気性代謝閾値(anaerobic threshold:AT)が大きく関与します。このATは個人によって差があるといいます。では、自分のATはどうすればわかるのでしょうか。一般的に「最大心拍数の約60%に達する程度の運動量」がATに相当するとされています。計算式で示しますと1分当たりの心拍数 =(210−年齢)×0.6 に収まるような運動量ということになります。運動がお好きな方は、自分のATを把握してからトレーニングを始めるといいのかもしれません。
以前はあまり重要視されていなかった高尿酸血症ですが、最近は痛風の原因となるばかりでなく、心血管疾患の危険因子としても注目されてきています。尿酸値が高くても痛風の発作が起きなければ治療しなくてもいいのではなく、ある程度の値を超えるとそのまま放置すれば腎機能低下にも繋がる可能性もありますし、尿酸値を下げることで腎機能もある程度は改善もします。痛風というと男性の病気とも考えられており、女性の関節炎の原因としては最初から除外してかかる同業者もいる様ですが、当クリニックで高尿酸血症または痛風で治療している70名あまりの中に10名弱の女性が含まれておりますので今の時代は珍しいことではない様です!                        
      
イルミネーションダイジェスト

 巷ではイルミネーションも終了してしまったようですが...昨年見かけたイルミネーションのダイジェストです!

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佐藤浩明
専門家

佐藤浩明(内科医)

さとうクリニック内科・消化器科

患者さんに寄り添う医療体制で、「経鼻内視鏡検査」に取り組み、内科・消化器疾患の徹底した検査と治療を行います。信条の「人と、地域と向き合う医療」という姿勢を守り、より高い専門性をもって地域に貢献します。

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