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米国人医師より外国人医師の方が優秀?

佐藤浩明

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テーマ:医療コラム

米国人医師より外国人医師の方が優秀?

おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は「米国人医師より外国人医師の方が優秀?」という報告です。
 「米国人医師と比べ、米国外の医学部出身の外国人医師の方が、治療した患者のアウトカムが優れていた」とするメディケア受給者約4万4,000例の入院データを用いた観察研究の結果が米国内外で話題を呼んでいる。論文の筆頭著者である米・Harvard T.H. Chan School of Public Healthの津川友介氏は、昨年にも米国では男性医師に比べ女性医師の方が治療成績が優れていたとする観察研究の結果を発表するなど、「医療の質」をテーマにさまざまな角度から研究に取り組んでいる。「今回、トランプ大統領の政策が米国医療の量と質の両面に悪影響を及ぼしていることを明らかにすることができた」という同氏に、研究の意義や今後の展望について解説してもらった。
 欧米では外国人医師に「量」の面で依存していることは既に知られていた。つまり、米国、英国、カナダ、オーストラリアなど多くの先進国で、医師の4人に1人は外国人医師であり、さらに外国人医師の多くは僻地医療など米国人医師が好まない地域の医療を担ってきた。しかし、外国人医師の「質」に関してはほとんど知られておらず、患者や同僚医師に「外国人医師の方が診療の質が若干低いのではないか」という偏見があることが過去の研究で示されていた。この「質」の部分を明らかにすることが今回の研究の目的だった。
 患者の重症度、医師の他の因子、病院の特性など他の要因をできるだけそろえて、全く同じ状況で同じ患者を外国の医学部出身の医師と米国の医学部出身の医師が診療した場合の差を評価することが重要だった。観察できない因子に対応するために、ホスピタリストを利用した解析も行った。ホスピタリストはシフト勤務であるため、患者は医師を選ぶことができない。したがって、ホスピタリストが診察した患者に注目することで、患者の重症度はより均一であると捉えることができる。
 トランプ大統領の移民の入国を制限するとした大統領令によって、多くの外国人医師が影響を受けている。今回の彼らの研究によって、大統領令は米国の医療にとって「量」と「質」の両面で悪影響を及ぼし、米国民の健康にマイナスになる可能性があることが明らかになった。医師の中にはトランプ氏の影響で肩身の狭い思いをしている移民も多いが、彼らの診療の質をデータに基づいて客観的に評価することができたのは、社会にとっても意味のあることだと思う。
 トランプ新大統領の政策が米国の医療の世界にまで及びだしてきているようです。まあ、確かに端で見ていてもトランプ新大統領が出す大統領令には多いに疑問が付きますし、それを阻止しようとする司法...この辺は逆に米国ではきちんと三権分立が機能していると感じるのは私だけでしょうか?(笑)

17.2.14 吾妻小富士

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専門家

佐藤浩明(内科医)

さとうクリニック内科・消化器科

患者さんに寄り添う医療体制で、「経鼻内視鏡検査」に取り組み、内科・消化器疾患の徹底した検査と治療を行います。信条の「人と、地域と向き合う医療」という姿勢を守り、より高い専門性をもって地域に貢献します。

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