原発事故後のリスクは被爆より糖尿病?
メタボで胆石のできる原因判明?
おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は「メタボで胆石のできる原因判明?」という報告です。
東北大学は1月25日、メタボリックシンドロームで胆石が増えるメカニズムを、遺伝子改変マウスを用いて解明したと発表した。胆石は、欧米では成人の10~20%、日本を含む東アジアでは5~10%と、非常に有病率の高い疾患。また、予後が不良ながんのひとつである胆のうがんの危険因子であることが報告されている。一方、近年増加の一途をたどっているメタボリックシンドローム患者では、脂肪肝に伴って胆石症が発症しやすいことが知られているが、その理由は明らかとなっていなかった。
研究グループは、メタボリックシンドロームに伴う脂肪肝の状態では、肝臓内の血流が低下し肝細胞が酸素不足に陥ることに着目。マウスを用いて研究を進めたところ、肝臓内脂肪蓄積により、肝細胞では、酸素不足が生じ低酸素誘導因子(HIF-1α)が誘導・活性化されることで、胆汁への水分を供給するタンパク質が減少し、その結果、胆汁が濃縮されてコレステロールが析出、胆石形成が促進されることが明らかとなった。
さらに、メタボリックシンドロームに伴った脂肪肝を有する患者の肝臓生検サンプルを用いた検討でも、胆石を有する患者では、肝臓のHIF-1αが増加していることも発見。このことから、マウスの結果がヒトでも裏付けられ、ヒトの胆石の原因として、脂肪肝に伴う肝臓の酸素不足が重要であることがわかったとしている。肝臓の低酸素に介入することが、今後脂肪肝に伴う胆石の治療、ひいては胆のうがん発症の予防につながる可能性が考えられると、研究グループは述べている。
確かに今までも40ー50代の小太りの女性に胆石が多いと一般的には言われていましたが、その理由はハッキリしていなかったと思います。それがこういう形で原因の一端が判明したので今後は胆石、ひいては胆のうがんの予防に繋がっていけば素晴らしい発見だと思います!
昨朝の吾妻小富士と安達太良山。一昨日の暖かさから一転、朝の冷え込み。吾妻小富士の山頂付近にも雪雲がかかっていました!