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歯周病菌が関節リウマチの原因?
おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は「歯周病菌が関節リウマチの原因?」という報告です。
歯周病と関節リウマチの関連は以前から指摘されていたが、ある特定の細菌によってその関連を説明できる可能性が、新たな研究で示唆された。この発見により関節リウマチの原因も明らかにできる可能性があるという。研究著者の1人である米ジョンズ・ホプキンス大学の研究者は、「もしこの知見が正しければ、関節リウマチに対する考え方や治療法はこれまでとは全く異なるものになる」と述べている。
100年以上も前から、関節リウマチ患者に歯周病がみられる確率が高いことが知られており、共通する因子の存在が疑われていた。近年、関節リウマチ患者では歯の数が少ないほど重症度が高い傾向が認められており、歯周病患者は関節リウマチになる確率が2倍であることも報告されていたが、その理由は不明のままであった。
「一時期までは、関節炎の人は手がよく動かないため歯磨きが十分にできないとも考えられていた」と同氏はいう。近年の仮説では、両方の疾患に細菌が寄与している可能性に焦点が当てられているが、その機序は明らかにされていなかった。
今回の研究では、関節リウマチ患者の歯肉より採取した約200の検体について、A. actinomycetemcomitansと呼ばれる歯周病関連菌の有無を調べた。関節リウマチ患者のほぼ半数に感染の徴候がみられたのに対し、歯周病も関節リウマチもない集団では11%であった。この結果から、歯周病と関節リウマチがいずれもこの細菌に起因している可能性が示される。細菌が歯周病を引き起こした後に一種の副作用として関節の腫れをもたらすか、あるいは逆に歯周病が関節リウマチの副作用であるとも考えられる。
歯周病と関節リウマチの因果関係を明らかにするにはまだ数十年かかる可能性があるが、それでも、細菌の関与に関する今回の知見は関節リウマチの予防と治療に「いずれ役立つ可能性がある」と、米テキサス大学の別の研究者は話す。同氏によると、細菌を標的とすることは、関節リウマチの発症リスクが高いがまだ症状が出ていない人に特に有用であると考えられるという。同氏は、「この知見は抗生物質が関節リウマチ治療の選択肢となりうることを強く示唆するものだ」と述べている。
最近、歯周病が色々な病気の誘因になるということが分かって来ましたが、関節リウマチの原因にもなるかもしれないというのは関節リウマチの原因検索を大学の医局時代にしていた私としても驚きです!
昨晩の大雪で街並みはすっかり雪景色です!