米国のインフルエンザ大流行はワクチンのせい?
インフルエンザのトリプル感染?
おはようございます。さとうクリニックの佐藤です。今朝は「今シーズンはインフルエンザのトリプル感染にも注意?」という報告です。
今冬のインフルエンザに関しては「3回罹患する人が出てくるかもしれない」という懸念が浮かんできた。いわゆる「トリプル感染」だが、一体どういうことなのだろうか?
根拠の1つが、インフルエンザ抗体保有状況調査にある。国立感染症研究所が取りまとめているもので、今年は12月2日に第1報が公表された。トリプル感染の懸念は、このデータから読み取れる。発表されたインフルエンザ抗体保有状況調査の結果(第1報)を見ると、今シーズンはAH3あるいはB型の感染が予想される。
年齢層で見ると、高齢者と低年齢で抗体保有率の「低い」傾向が強い。高齢者では、70歳以上は、B(山形系統)とB(ビクトリア系統)がともに「極めて低い」であり要注意だろう。65~69歳はB(ビクトリア系統)が「極めて低い」、B(山形系統)が「比較的低い」だ。また60~64歳はB(ビクトリア系統)が「低い」、B(山形系統)が「比較的低い」だった。これらの年齢層では、B型のダブル感染の危険性もあるという
最も注視すべきは0~4歳。この年齢では、AH3とB(山形系統)がともに「比較的低い」であり、さらにB(ビクトリア系統)は「低い」だった。つまり0~4歳では、3種類のウイルスに感染するリスクが高い。これがトリプル感染懸念の根拠となる。1人が3回インフルエンザに罹患すると、患者数の増加要因になり、また重症化例の多発リスクも押し上げる。まさに懸念される事態を招き得る。
これまでも日本小児感染症学会などでは、1シーズンに複数回、インフルエンザに罹患した症例が報告されている。例えば、兄弟が同時にインフルエンザに感染。回復した後にまた、2人とも感染してしまった事例があった。1回目に罹患したウイルスが兄弟間で異なっており、2回目の感染では兄が弟から、弟は兄から、それぞれ別のタイプのウイルスをもらっていた。幸いこの兄弟は2回の罹患で済んだが、今シーズンは特に0~4歳児の場合、3回目があるかもしれないことを念頭に置いた診療が必要となりそうだ。医療機関としてはまず、0~4歳あるいは高齢者らワクチン保有率の低い年齢層に対して、インフルエンザのワクチン接種はもとより、手洗いやうがいなど日ごろから感染予防に努めるよう求めていくべきだろう。
現時点ではノロウイルスによると考えられる感染性胃腸炎が大流行という感じですが、この波が収まると再度インフルエンザの流行が再来するものと考えられます。報告にあるように今までもそれなりの頻度でA・B型両方のインフルエンザに感染なさる患者さんはいましたし、2回A型になったという話も聞いたことはありますが、トリプル感染の危険となると十分な注意が必要かも?知れませんね!
当クリニックの待合室に飾ってある絵の作者であるはせがわいさおさんのHPからダウンロードした壁紙を一部カットし、転載させて頂きました!