今冬はインフルエンザワクチン不足?
インフルエンザ流行時の重症化
おはようございます。さとうクリニックの佐藤です。今朝は「今シーズン、インフルエンザ重症化例に注意?」という報告です。
「一般外来においてもインフルエンザの重症例が受診し得る。しかし、重症化への備えが十分かどうかは疑問だ」。こう指摘するのは、インフルエンザの家族内感染や学校内感染で多くの知見を発表している医師だ。「来院時には軽症に見えても急激に重症化する症例もあり、重症化を拾い上げる努力は欠かせない。同時に、重症患者を受け入れる医療機関との連携が必須」と強調している。
2009年の大流行発生時には、重症呼吸器障害を呈する症例が多かったことも特徴だった。別の研究者が指摘していたように、その病原性は現在も変わっていないため、今後も要注意だ。同氏は2009年の大流行発生以降、9人の重症呼吸器障害を呈した症例を診てきた。その経験から重症患者の鑑別法として1分間の呼吸数が重要であるとしている。1分間の呼吸数に着目すると、2~12カ月児では50回以上、1~5歳では40回以上、6歳以上では30回以上が、それぞれ重症の目安となるという。
「呼吸器異常例では、呼吸苦、酸素飽和度低下(95%未満)、消化器症状、顆粒球増多が特徴的だ」。こう話す同氏は、中でも顆粒球増多に注目すべきだと力説する。外来においては、急速に悪化することもあり、注意深い観察が必要になる。「特に10歳以下の子どもでは、『元気がない』と見える場合は、重症化を想定した対応を考慮すべき」だ。
治療面では、抗インフルエンザ薬の静注薬ペラミビルを備えておくことも必要と指摘する。外来でも、例えば(1)薬が飲めない乳幼児、(2)消化器症状、特に嘔吐を伴う患児、(3)高熱、あるいは脱水状態で活動力が落ちている患者、(4)全身状態の悪い患者――など、静注薬ペラミビル使用の適応と考えられる症例は存在するからだ。
通勤路で見かけた花。冬の時期の花には心和まされますね!