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コラム
脳トレの効果はない??
2016年7月5日
おはようございます。さとうクリニックの佐藤です。今朝は「脳トレの効果はない??」という報告です。
LumosityやNeuroNationなど、科学的に効果が実証されていると謳う脳トレーニングプログラムが流行しているが、少なくともその効果の一部は、一時的なプラセボ効果によるものである可能性が、新たな研究で示された。「脳トレに全く価値がないとはいわないが、プラセボ効果が結果を向上させていると考えるべきである」と、研究を率いた米ジョージメイソン大学の研究者は述べている。
今回の研究では、大学キャンパス周辺で異なる2種類のビラを配布して50人の被験者を集めた。一方のビラでは「脳トレと認知力向上」の研究であると宣伝し、「作業記憶トレーニングにより流動性知能が向上することが多数の研究で示されている」と記載した。もう一方のビラには脳トレーニングについては何も書かず、単に研究への参加を募る内容とした。この両群の被験者に前もってIQ検査を実施した後、1時間の脳トレを行った。トレーニングはごく短時間で、実際は全く効果のない可能性が高いものであった。
翌日、全員に追加のIQ検査を実施した結果、脳に効果があると聞かされていた被験者はスコアが100点満点中5~10ポイント上昇したのに対し、何も聞かされずに研究に参加した被験者は、前回とほぼ同じスコアであった。プラセボ効果によりIQスコアが上昇する機序はわかっていないが、被験者の意欲や自信が増加したことに起因すると考えられると、同氏は説明している。
Lumosityを運営するLumos Labs社の研究者はこの知見について、「興味深い結果だが、単純に捉えすぎて、これまでの多数の研究を無効にするような解釈をすべきではない」と述べている。脳トレーニング研究の第一人者は、これまでの研究はプラセボ効果の可能性について十分にコントロールできていない点を認め、今後の研究では慎重な開発と厳しい検証が重要であると指摘している。
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