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佐藤浩明

消化器内科専門医で「内視鏡検査」のプロ

佐藤浩明(さとうひろあき) / 内科医

さとうクリニック内科・消化器科

コラム

ミカン摂取で生活習慣病予防?

2016年4月7日

コラムカテゴリ:医療・病院

コラムキーワード: 糖尿病 食事糖尿病 症状糖尿病 予防

おはようございます。さとうクリニックの佐藤です。今朝は「ミカン摂取で生活習慣病予防?」という報告です。

 ミカンを毎日3~4個食べる人では、ほとんど食べない人に比べて2型糖尿病や脂質代謝異常症などの生活習慣病の発症リスクが低下することを、農研機構果樹研究所と浜松医科大学健康社会医学講座などの研究チームが明らかにした。温州ミカンに多く含まれるカロテノイド色素の一種である「β-クリプトキサンチン」の血中濃度が関与している可能性があるという。
 生活習慣病の予防には果物や野菜の摂取が重要であることが、近年の栄養疫学研究で示されており、なかでもカロテノイドの役割が注目を集めている。研究チームは、2003年から静岡県浜松市三ヶ日町の一般住民1,073人を対象とした栄養疫学調査「三ヶ日町研究」を行っており、今回、10年間の追跡を完了した910人を対象に、β-クリプトキサンチンなどの血中カロテノイド値と生活習慣病リスクとの関連について解析した。
 対象者を、調査開始時のβ-クリプトキサンチンの血中濃度により低・中・高の3群に分けて解析したところ、高濃度群では、低濃度群に比べて2型糖尿病の発症リスクが57%有意に低下していた。同様に、β-クリプトキサンチンの血中濃度が高いと、脂質代謝異常症リスクが34%、非アルコール性肝機能異常症(血中高ALT値)リスクも49%それぞれ有意に低下していることがわかった。これらの関連性は、喫煙や運動習慣、総エネルギー摂取量などにより調整した解析でも認められた。研究チームによると、参加者の多くがミカン産業に従事しており、β-クリプトキサンチン濃度が高い群では毎日3~4個摂取していることもわかったという(低濃度群は毎日摂取しておらず、中濃度群では毎日1~2個の摂取量だった)。

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