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コラム
酒は百薬の長はうそ?
2016年4月6日
おはようございます。さとうクリニックの佐藤です。今朝は「酒は百薬の長はうそ?」という報告です。
これまでの研究では飲酒のさまざまな健康効果が示唆されてきたが、今回、適量のアルコールが寿命を延ばすという見解に疑問を呈する研究結果が新たに示された。オーストラリア国立薬物研究所の研究者らによると、87件の研究をレビューした結果、全く飲酒をしない人に比べて、適量の飲酒をする人に生存期間の面で利益は認められなかったという。一方、この結果に対して米ボストン大学の研究者は、「科学的データからは、少量から中等量の定期的な飲酒が中高年の健康的なライフスタイルと矛盾しないことが支持され続けている」とコメントしている。
同研究者らは、「飲酒を止めた人は、理由として病気になったことを挙げることが多いが、これまでのレビューではその点が見逃されてきた。その結果、こうした人は早期に死亡する比率が高く、飲酒の影響を見誤る原因となっている可能性がある」と主張している。
今回のレビューでは87件の研究について検討し、病気による禁酒を考慮していない研究を除外したところ、適量の飲酒による寿命への利益は認められなかったという。また、飲酒する人のなかで最も結果が良好であったのは、実は“時折(10日前後につき1杯未満)”酒を飲む人だった。
さらに、「中高年者の少量から中等量の飲酒は、良好な健康状態であることの指標であって、原因ではない可能性が高いことが明らかになってきている」と同氏は話す。アルコールを楽しむのはよいが、酒を薬のように考えるのは間違っており、「過剰に摂取すれば依存症や有害な影響があることを考えると、ほとんどの人にとっては、健康のためには飲酒量は少ないほどよい」と同氏は付け加えている。
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