暑い時の水分補給には何が良いのか?
東日本大震災に被災した保育園児は,被災しなかった園児に比べ,疾患発症リスクが有意に高く,男児では特にアトピー性皮膚炎(AD),女児では特に気管支喘息の発症に被災経験が強く影響していると考えられるデータが明らかにされた。東北大学東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)予防医学・疫学部門の研究が報告されました。
同研究者らが行ったのは,厚生労働科学研究「東日本大震災の小児保健への影響に関する調査研究」における「被災地の子どもの発育状況等に関する調査」。発災約1年半後の2012年10~12月に,全国の認可保育園に調査協力を依頼し,協力の意向があった保育所に調査票を配布した。
その解析の結果,被災男児ではなんらかの疾患発症の危険率が1.60倍,アトピー性皮膚炎では1.62倍と,いずれも有意な高値を示した。アトピー性皮膚炎の危険率を被災の種類別に見ると,避難所生活2.92倍,津波2.53倍,家の全壊・半壊1.97倍で,いずれも有意差が認められた。被災女児ではなんらかの疾患発症の危険率が1.79倍,喘息では2.56倍と,ともに有意に高値。喘息の危険率は転居4.19倍,家の全壊・半壊3.50倍,津波2.88倍で,いずれも有意差が認められた。
「被災した小児は中長期的に,アトピー性皮膚炎,喘息などさまざまな疾患が増加している可能性が示唆された」と同氏。「適切な医療支援をさらに充実させつつ,有病率を継続的にモニタリングする必要がある」と指摘した。