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コラム
肥満より運動不足の方が有害?
2015年1月30日
座ってばかりの生活は、肥満の2倍有害である可能性が新たな研究で示されました。しかし、1日20分の早歩き程度の運動により、早期死亡リスクを30%低減することも可能だという。研究筆頭者は、「運動不足の人は、運動量をわずかに増やす努力をするだけで大きな健康効果が得られる」と述べている。このリスク低減は、正常体重、過体重および肥満のいずれの人にも認められたという。「集団の運動不足を解消すれば、肥満を解消した場合の2倍の死亡数を低減できると考えられる」と同氏は述べ、公衆衛生の観点から、身体活動レベルの増大は肥満の低減と同じくらい、あるいはそれ以上に重要であると付け加えている。
今回の結果では全く運動しない場合に比べ、中程度の運動が早期死亡リスクを低減する鍵となることがわかった。1日に90~110カロリーを消費する運動により、早期死亡リスクを16~30%低減できると研究グループは推定している。中等度の運動による効果は正常体重の人で最も高かったが、過体重および肥満の人にも便益が認められた。最新のデータを用いると、ヨーロッパの男女において920万件の死亡のうち33万7,000件が肥満に関連するものであると推定されたが、運動不足に関連すると思われる死亡数はその2倍であったという。
「ヒトの身体をみると、骨や筋肉は不規則な変わった形をしている。この筋骨格の構造から、人体は動くためにできていることがわかる」と、米ニューヨーク大学メディカルセンターの研究者はいう。人体の運動への適応力は驚くべきものであり、有酸素運動は免疫系を刺激し、精神機能を向上させ、エネルギーを増大させ、筋肉や骨を強化し、心疾患、がん、糖尿病などの慢性疾患リスクを低減すると同氏は指摘している。
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