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コラム
和食で健康長寿改善!
2015年2月1日
世界保健機関(WHO)の協力の下に,武庫川女子大学国際健康開発研究所の研究では,マグネシウム(Mg)・タウリン摂取と循環器疾患発症との関連が明らかになっている。同氏は,これらを多く含む和食は倹約遺伝子により糖尿病を発症しやすい日本人の健康寿命を改善する作用があり,大豆食を多く摂取する日本人ではそうでない者に比べて,野菜や魚の摂取量が多く,空腹時血糖値が正常である割合が高かったことを指摘した。
38億年前に細胞内にMgを多く含む原核単細胞生物が誕生した。その後,細胞膜を安定化させて多細胞生物になる過程でタウリンが関与。その後も進化の過程で,人類は種実や貝などからMgやタウリンを摂取してきた。同研究者らが1983年から約20年間実施した研究のうち,タウリン/クレアチニン比を五分位に分けて,肥満,脂質異常症,高血圧の発症リスクを検討したところ,最高五分位群に対し,最低五分位群の危険率は,それぞれ2.91倍,1.94倍,1.26倍であった。
同氏は,疾患の発症は人類に組み込まれた遺伝子だけでなく,食習慣という後天的な環境因子である“ゲノムプラスの栄養”も影響することを証明した結果であるとし,これらの栄養素を多く含む和食の重要性を指摘した。なお,同氏は,「ごはん」「大豆」「減塩」に焦点を当てた食の健康運動を推進しており,2002~12年の取り組み成果を見ると,40~59歳の女性では食塩摂取量の有意な低下と大豆摂取量の有意な増加が認められた。それに伴い,収縮期血圧,拡張期血圧,中性脂肪値,空腹時血糖値はいずれも有意に低下した一方,HDLコレステロール値は有意に上昇していた。
また,大豆を1日に20μmol以上摂取する50歳代女性での空腹時血糖異常の割合は,20μmol未満の摂取者の約3分の1にとどまっていることも分かった。同氏は,大豆食を多く摂取する者では野菜や魚の摂取量が多かった特徴に言及し,大豆を中心とした和食は,倹約遺伝子を持つ日本人にとって健康に資する理にかなったものと評価した。
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