暑い時の水分補給には何が良いのか?
師走も半ばです。「師も走り回る忙しさ」と言われますが、どんなに年を取って立派な師となっても、走り回れる程度に速く歩けることは、健康長寿の秘訣です。
最近、米国の研究者が、世界で実施された高齢者の歩行と生存率に関する研究結果を報告しました。対象となった65歳以上の総数は3万4485人。この人たちを6~21年にわたって追跡したところ、1万7528人が亡くなっていました。この人たちの生存率を、歩行速度別に▽最も遅いグループ(秒速0・4メートル未満)▽普通のグループ(同1・0~1・2メートル)▽速いグループ(同1・4メートル以上)――の3グループに分けて調べました。
ある年齢の時点で、その後5年間生存する可能性をグループごとに計算すると、65~74歳では男性でそれぞれ68%、90%、95%、女性ではそれぞれ80%、96%、97%との結果になりました。歩行速度が速いほど、生存率が高くなることを示しています。75~84歳でも、男性が60%、83%、93%、女性が69%、91%、95%と、同じような結果でした。10年後の生存率を計算しても、ほぼ同じ結果となり、速いスピードで歩ける高齢者が高い生存率となることが示されました。過去のデータからも、歩行で秒速1メートルを維持できると、健康長寿が保てる傾向が強いようです。
この秒速1メートルという速さは、私たちの日常生活にも深く関わっています。歩行者用横断歩道の青信号は、歩行速度が秒速1メートルの人が渡り切れるように点灯時間が設定されているのです。つまり、横断歩道を青信号の間に渡れるのは、歩行速度が秒速1メートル以上の人ということになり、渡り切れれば満足できる歩行速度を維持しているということになります。
渡り切れない場合は、どうすればよいでしょうか。まずは、足腰の筋力を中心としたトレーニングが勧められます。歩行速度が遅くなると、転倒なども増えるため、転倒予防にも有効です。体力やひざの痛みなどによって個人差はありますが、毎日少しずつでも根気よく、できれば仲間も作って楽しみながらやってみるのが良いと思います。