2月は暇で忙しい、戦略立案のすすめ

「店長なのに、そんな仕事までやるのか?」
私がモスバーガーで店長をしていた頃、店舗の前で掃除をしていると、中学校時代の同級生から声を掛けられました。
「お前、店長なのに掃除をしているのか?」
悪気はなかったのでしょう。しかし、その言葉は今でも忘れられません。
その時、私は笑いながらこう答えました。
「店長だから掃除をするんだよ。」
今振り返ると、この何気ない会話には、店長として最も大切な考え方が詰まっていたように思います。
店長は一番偉い人ではない
店長になると、「管理する立場」「指示を出す立場」という意識が強くなりがちです。
「掃除はアルバイトがするもの。」
「品出しは新人の仕事。」
そんな考え方になってしまうと、少しずつ現場との距離が生まれてしまいます。
しかし、私が16年間の店長経験で学んだことは、その逆でした。
店長だからこそ、誰よりも先に動く。
誰もやりたがらない仕事ほど、自分が率先してやる。
それが店長の役割なのです。
行動は言葉より何倍も伝わる
「笑顔で接客しよう。」
「整理整頓を徹底しよう。」
「もっと元気に挨拶しよう。」
店長はスタッフに多くのことを伝えます。
しかし、どれだけ立派なことを言っても、自分が実践していなければ誰もついてきません。
反対に、店長が毎朝誰よりも早く掃除をし、大きな声で挨拶をし、お客様に笑顔で接している姿を見れば、スタッフは自然と同じように行動するようになります。
人は「言われたこと」よりも、「見たこと」の方を強く記憶します。
だからこそ、リーダーには率先垂範が求められるのです。
背中を見せることが最高の教育になる
私は新人スタッフを指導するとき、「まず私の仕事を見てください」と伝えていました。
掃除の仕方。
お客様への声の掛け方。
商品の渡し方。
電話応対。
一つひとつを実際に見てもらう。
その後で、「やってみよう」と声を掛けます。
教育とは、教えることだけではありません。
見せることも教育です。
スタッフは、店長の背中から多くのことを学んでいます。
だからこそ、店長自身が学び続け、成長し続ける姿勢を見せることが何より大切なのです。
私が今も変わらず実践していること
現在、私は家電メーカーの販売応援スタッフとして、さまざまな店舗でお客様対応を行っています。
販売応援という立場ではありますが、商品の陳列が乱れていれば整えます。
カタログが少なくなっていれば補充します。
店舗スタッフの方が忙しそうであれば、できる範囲でお手伝いもします。
「自分の仕事ではないから。」
そう考えたことはありません。
現場を良くするために必要なことなら、自分から動く。
店長時代から大切にしてきたこの姿勢は、今も変わることはありません。
役職は変わっても、「率先して動く」という姿勢は、どんな仕事にも通じるリーダーシップだと考えています。
今日からできる実践ポイント
・誰よりも先に挨拶をする。
・誰もやりたがらない仕事を率先して行う。
・スタッフに指示する前に、自分が実践してみる。
・「店長だからやらない」ではなく、「店長だからやる」という意識を持つ。
リーダーとは、前に立つ人ではありません。
最初に動く人です。
その姿を見たスタッフは、「この人についていこう」と感じます。
率先垂範とは、特別な能力ではありません。
毎日の小さな行動の積み重ねです。
その積み重ねが、信頼を生み、強いチームをつくっていくのです。
次回は、
「スタッフが辞めない職場をつくる」をテーマに、人が辞めない職場づくりと、店長が果たすべき役割についてお話しします。
本連載について
本連載は、私の著書『新米店長の道しるべ―16年の失敗と成功から学ぶ』をベースに、現場で新たに得た経験や生成AI時代のマネジメント・マーケティングの視点を加えながら再構成しています。20年以上にわたる店舗運営の経験が、店長やリーダー、経営者の皆さまの実践に少しでもお役に立てれば幸いです。
著書紹介
『新米店長の道しるべ―16年の失敗と成功から学ぶ』では、20年以上の店舗運営と16年間の店長経験をもとに、現場で培ったマネジメントやマーケティングの考え方を実例とともに紹介しています。理論だけではなく、実際の失敗や成功から得た「現場で使える知恵」をまとめた一冊です。
新米店長の道しるべ16年の失敗と成功から学ぶ
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