第8回:スタッフを“動かす”リーダーの言葉力

佐々木康仁

佐々木康仁

テーマ:マネジメント

— 「伝える力」と「聴く力」がチームを変える —


どんなに経験豊富な店長でも、
どんなに数字を伸ばす戦略を立てても、
スタッフが動かなければ、店は動きません。

私は長年の店長経験の中で、
“人を動かすのは指示ではなく言葉”だと痛感してきました。

リーダーの一言は、チームを沈めることもあれば、
一瞬で空気を明るくすることもあります。
言葉には、人の心を変える力があるのです。

■「伝える」よりも「伝わる」ことを意識する

ある日のミーティングで、私はこう言いました。
「もっと声を出そう!」「笑顔で接客しよう!」

でも、スタッフの反応はいまひとつ。
そこで、言い方を変えてみたんです。

「お客様が入ってきた時、一番最初に見るのは誰だと思う?」

と問いかけると、
「自分たちですよね」とスタッフが答えてくれました。

その瞬間、表情が変わり、店の雰囲気も少しずつ明るくなっていった。
つまり、“指示”ではなく“気づき”を促す言葉こそ、
人を動かす鍵になるのです。

■「聴く力」が信頼を生む

リーダーは“話す”よりも、“聴く”時間を大切にするべきです。
スタッフが落ち込んでいる時、悩んでいる時、
アドバイスよりもまず、耳を傾けること。

以前、アルバイトの学生がミスをして落ち込んでいました。
「どうしてこうなったの?」と責めるよりも、
「どんな気持ちだった?」と聴いたところ、
涙ながらに本音を話してくれたのです。

人は“聴いてもらえた”瞬間に、信頼を感じます。
そして信頼が生まれると、チームは自然と動き出すのです。

■クレーム対応こそ「言葉力」の真価が問われる

お客様対応の現場では、時に厳しい言葉を受けることもあります。
そのときに大切なのは、感情で返さないこと。
怒りの裏には、必ず“期待”があります。

クレームとは、
「本当は良くなってほしい」というお客様の願いの裏返し。
だからこそ、最初の一言で印象が決まります。

「ご不快な思いをさせてしまい、申し訳ありません。」
「お話を聞かせていただけますか?」

この“受け止める姿勢”が信頼を取り戻す第一歩です。

■今日からできる実践ポイント

「命令」ではなく「問いかけ」を使う。
 気づきを促す言葉は、主体性を生み出します。

1日5分、“聴く時間”をつくる。
 悩み・雑談・近況、どんな話題でも耳を傾ける。

クレーム対応は“共感の一言”から始める。
 感情より先に、相手の立場を理解する姿勢を。

次回の第9回は、

「新時代のマネジメント ― 生成AIを活用する」。
店長の仕事を効率化し、スタッフ教育や販促企画にも役立つ
AI時代のリーダーシップを、実践的にお伝えします。

著書紹介

このコラムの内容は、著書
新米店長の道しるべ:16年の失敗と成功から学ぶ
(著:佐々木 康仁/出版社:CNCコンサルティング出版)
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佐々木康仁
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佐々木康仁(ITコンサルタント)

株式会社CNCコンサルティング

対面と非対面を組み合わせた独自のマーケティング手法、ChatGPTを活用するための基礎的な講習、小学校などでのICT教育支援を事業の柱とする。数々の職業を経験し“現場感覚”でサポートできるのが強み。

佐々木康仁プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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