福岡の偉人:福岡市 「人は皆、同じ人間だ」を貫いた松本治一郎

鎌田千穂

鎌田千穂

テーマ:この世界、知らんことだらけ

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さぁ、今週も金曜日になりました。
福岡を語る上で、忘れてはいけない人がいます。

生まれによって人生を決めつけられる。

そんな理不尽な現実に真正面から立ち向かい、
「すべての人が人として尊重される社会」を目指して闘い続けた人物です。

その信念は、多くの人々に希望を与える一方で、
時には激しい反発や批判も受けました。

今回は、
福岡市が生んだ政治家.
松本治一郎(まつもと じいちろう/1887年~1966年)のお話です。

差別の中で育った少年

松本治一郎は1887年、現在の福岡市で生まれました。

家は比較的裕福でしたが、
被差別部落の出身であるという理由だけで、
学校でも社会でも理不尽な差別を受け続けます。

京都や東京で学ぼうとしても、
差別の壁に阻まれ、
思うように学業を続けることができなかったようです。

その経験は、
「この社会を変えなければならない」
という強い信念へと変わっていきました。

部落解放運動の先頭へ

1922年に全国水平社が結成されると、その運動に参加。

やがて九州水平社、
さらに全国水平社の指導者となり、
差別事件に対して毅然と抗議し、
社会へ問題提起を続けました。

時には逮捕や投獄を経験しながらも、
決して活動をやめることはありませんでした。

その姿勢から、多くの人々に

「部落解放の父」

と呼ばれるようになります。

政治の場から社会を変える

1936年、衆議院議員となりました。
戦後は参議院議員として活躍。

1947年には、初代参議院副議長に就任。

国会では、
部落問題だけではなく、
人権や平和についても積極的に発言。
日本社会がより公平なものになるよう力を尽くしています。

一方で、
戦時中に翼賛推薦議員となった経歴などを理由に、
公職追放を受けるなど、その人生には評価の分かれる部分もあったようです。

とはいえ、部落解放運動への貢献は、
日本の人権史において極めて大きなものと評価されています。

松本治一郎が残したもの

松本治一郎が求めたのは、
特別な権利ではありませんでした。

誰もが、
生まれによって人生を決めつけられず、
一人の人間として尊重される社会。

現在でも部落問題への理解や人権教育が続けられている背景には、松本治一郎をはじめとする多くの人たちの努力があります。

その歩みは、日本の人権の歴史そのものと言えるのではないでしょう。

編集後記

人は、自分では選べないものがあります。

生まれた場所。
家庭環境。
名前。
時代。

どれも、自分の努力では変えられないもの。
とはいえ、時として、その「違い」だけを見て相手を判断してしまいます。

松本治一郎が生涯をかけて訴え続けたのは、
特別な扱いを求めることではありませんでした。

「人は、人として尊重されること。」

その、ごく当たり前のことだったのです。
もちろん、今でもさまざまな評価があります。

それでも、
人の人間が差別のない社会を目指し、
信念を貫いたことは、
日本の歴史の中で忘れてはならない事実だと考えています。

確かに私たちの周りから、
あからさまな差別は少なくなりました。

その一方で、SNSでは、肩書きや学歴、職業、出身地だけで人を決めつける言葉があふれています。

形は変わっても、

「相手を知る前にラベルを貼る」

ということは、今も決してなくなってはいません。

歴史は、過去の出来事を学ぶためだけにあるのではありません。

「自分は、人を決めつけていないだろうか。」

そんな疑問を自分自身に向けるためにもあるのだと思います

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鎌田千穂
専門家

鎌田千穂(産業カウンセラー)

Chi-ho’s studio

組織課題を広い視野で捉え、主体性を持った思考と行動力、公私の均衡を図る自律型人材育成を行うこと。分析・統計による業務改善の解決策を示し、個人の悩みを解き放ち、企業の繁栄に繋げることが専門です。

鎌田千穂プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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