欲望は瞬間、満足は永遠 ー 瞬間の快楽から本当の豊かさへ
産業カウンセリングの話。
ある職場で困っていた。
商品の仕分けが覚えられない。
説明はこうだった。
10%割引商品はこの棚。
20%引き商品はこのワゴン。
3割引き商品はこのワゴン。
半額商品もこのワゴン。
何度説明しても混乱する。
覚えられない。
ミスが出る。
周囲も困る。
本人も困る。
こういう時。
人間はすぐ考える。
---覚える力の問題ではないか?
---本人の能力の問題ではないか_
実に自然な発想。
原因は人とは限らない
そこで説明を変えてみた。
10%割引商品はこの棚。
それ以外はこのワゴン。
すると。
---覚えられた。
それも、あっさり。
昨日までの大騒ぎは何だったのか?
本人は変わっていない。
脳も変わっていない。
能力も変わっていない。
---変わったのは説明だけ。
人間はすぐ能力のせいにする
これは職場でよく見る。
ミスが多い。
↓
本人の問題。
仕事が遅い。
↓
本人の問題。
覚えられない。
↓
本人の問題。
ところが。
少し掘ると違うことがある。
ルールが複雑だった。
説明が分かりにくかった。
手順が多すぎた。
問題は人ではなく、
伝え方の順番や仕組みだった。
人を変えるより仕組みを変える
人を変えるのは大変。
性格もある。
得意不得意もある。
経験の差もある。
でも。
仕組みを変える方が早いことがある。
説明を短くする。
類を減らす。
手順を整理する。
すると急にできるようになる。
---不思議な話だ。
能力開発の話だと思っていたら、
実は整理整頓の話だったりする。
最後に
産業カウンセリングをしていると、
時々思う。
人間は問題が起きると、
まず人を疑う。
能力が足りない。
やる気がない。
理解力がない。
でも。
本当に疑うべきなのは、
説明や仕組みの方かもしれない。
今回の話もそうだった。
覚えられない人はいなかった。
---ただ、覚えにくい説明があった。
人は変わっていない。
変わったのは、たった一言。
「それ以外」
だった。
そして案外。
職場の問題のいくつかは、
その程度のことで解決するのかもしれない。



