仲間に入れない事を気にする

今日は金曜日。
毎週金曜には福岡で活躍していた方のお話を通じて心のあり方を書いていきます。
思った以上に地元に目を向けていないんだなと気がつくことも多々。
さて、皆さんは「食事は腹八分目」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。
この言葉は、心と体の健康を保つための書物「養生訓(ようじょうくん)」から来ています。
この「養生訓」を著したのが、江戸時代に福岡で活躍した学者、貝原益軒(かいばら えきけん)。
貝原益軒の教えは、現代に生きる私たちにも多くの示唆を与えています。
その人像と健康に関する教えは現代にも通じるものばかり。
日頃の生活を振り返ってどのよう活かすかを考えてみましょう。
腹八分目の真髄:貝原益軒の教え
貝原益軒の活躍した時代は、17世紀末から18世紀初頭の寛文から元禄の時期。
この頃の黒田長政を初代藩主とする福岡藩の時代は260年余り。
その間に、多くの優れた学者を輩出していることが知られています。
ご存じの方も多いところは、黒田官兵衛(くろだかんべえ)を父に持つ方ですね。
貝原益軒は、社会の秩序が安定し、経済が発展していたこの時期に、儒学だけでなく、本草学、医学、歴史、地理など、幅広い分野で業績を残しました。
多才な貝原益軒の人物像
福岡出身の貝原益軒は寛永7(1630年)に福岡藩士・貝原寛斎の五男として城内で誕生。
幼少期から読書を愛し、儒学を学び、長崎では医学を学ぶ。
明暦2(1656年)には3代藩主の光之に仕え、命により京都で朱子学を学びました。
それ以外にも、歴史学、地理学、医学、本草学など、多岐にわたる分野で才能を発揮。
徐々に名声を高めていきました。
また、旅が好きだった貝原益軒は多くの紀行文を残しています。
夫人と一緒に旅行する姿は当時としては珍しく、愛妻家であったことが伝わります。
貝原益軒夫妻のお墓と銅像が金龍寺(今川二丁目)にあります。
あとは屋敷跡の碑の石碑が荒戸一丁目に残っています。
~ちょっと余談~
・・・建物は壊してしまえば何も残らず。
古の風や過去に思いを馳せることなどできません。
石碑や看板だけの場所を見ても嬉しいですか?
建物を壊すから、思い出を残さないよりも良いだろうという短絡的な考え方こそが、文化を軽んじていると強く思うことしきり。
どんな素晴らしい偉業だとしても石の塊やお知らせ看板になれば全てが終わるのです。
現代に生かす貝原益軒の健康の知恵
貝原益軒の健康に関する教えは「養生訓」などに詳しく述べられています。
以下に、貝原益軒の教えの一部を紹介します。
腹八分目
「病に食い勝つ」という言葉があるように、食事は健康維持と病気回復に大切。
ですが、どんなにおいしい食べ物でも、食べ過ぎは胃腸を損ない、病気を引き起こします。
美味や珍味の食べ物でも腹八、九分でやめること
貝原益軒は食事も程々が良いことを勧めています。
心の養生
体は心によって養われ、心は体によって養われると考えました。
貝原益軒は「養生の術は先心気を養うべし」と述べ、心身相関の重要性を説きました。
養生とは体と合わせて心の養生を怠ってはならない。
天和2年(1682)から書物の下書きとしてつくり、後正徳3年(1713)に言い伝えていたのです。
それほど前から、心と体の調和を図ることの大切さを勧めています。
むやみに薬は飲むな:薬より養生
「孫思邈(そんしばく)」の言葉を引用。
益軒は薬については次のように述べている。
薬はみな偏った性質があるもの。
その病に応じなければ必ず毒となる。
従ってどんな病気であれ、みだりに薬を服してはならない。
病の災いより薬の災いの方が多い。
薬を用いなくても慎んでよく養生すれば、薬の害もなく、治りやすい。
たいした理由もなく薬を服用すると五臓のバランスを崩し、かえって病気が生じる。
薬を用いず慎んでよく養生することで身体は治りやすいと明言しています。
真の人生の楽しみ方
天和2年(1682年)に「養生訓」の下書きともいえる「頤生輯要(いせいしゅうよう)」を著し、正徳3年(1713年)に「養生訓」を出版しました。この書物には以下の三つの楽しみ方が紹介されています。
- 人として正しい道を歩き、善を楽しむこと
- 病なく快く楽しむこと
- 長命で人生を長く楽しむこと
貝原益軒は、この三つの楽しみをいかなる富や名誉よりも優れたものとし、長寿もただ長く生きることではないことを明言。
欲を捨て、謙虚に、畏敬の念を忘れずに生きることが真の人間の姿であると示しています。
まとめ:現代に貝原益軒の教えを活かす
いかがでしたか?
現代においても、貝原益軒の教えは私たちの心と体の健康を守るためのヒントが詰まっています。
やり方ではなく「在り方」に目を向けた「人としての原点」に意識を向けた学びと教育の確立。
とはいえ、「頭でわかっています!できないんです」という声が聞こえてきそうです。
それは仕方のないこと。
みなさんが頭で考えているからこそ、心はいつも何処かに置いてきぼり。
認知の縛りを解くために産業カウンセラーの力を借りる
日々のストレスや心の悩みって、皆さんが自分で生み出した思い込みという認知の縛りです。
そのことを一人で抱え込んでしまうことや放置していることこそが良くない。
そんな時、産業カウンセリングを受けること。
心と体のバランスを取り戻し、健康を維持する手助けとなります。
心と体の健康を守るためにも産業カウンセリングを受けて、認知の縛りを解いてくださいね。
そのことが一番の近道です。



