「自分を思いやる」という勇気—セルフコンパッションのすすめ—

西岡惠美子

西岡惠美子

テーマ:心が辛くなったとき

「自分を思いやる」という勇気—セルフコンパッションのすすめ—

~あなたは、自分に優しくできていますか?~

たとえば、家族が疲れていたら、無理に出かけようとはしませんよね。
同僚が体調を崩していたら、「大丈夫?」と声をかけますよね。
そう、人に対しては、自然に「思いやり」を持てるのに——

その相手が“自分”となると、とたんに難しくなる。

「もっと頑張れたはず」「こんなんじゃダメだ」
知らず知らず、自分に厳しい言葉ばかり投げかけていませんか?

でも、その厳しさ、本当に必要でしょうか?

1.「セルフコンパッション」とは何か?


セルフコンパッション(self-compassion)とは、自分に対して思いやりを持つこと。

失敗した時、落ち込んでいる時、恥ずかしい思いをした時。
そんなときに、自分を責めるのではなく、「つらかったよね」「大丈夫だよ」と声をかけてあげる。

これは、甘やかしではありません。
本当の意味で、自分の力を取り戻す行為です。

2.「自分を大切にする」が難しい理由


「自分を大事にするのは大事」
そんなこと、頭では分かってる。

でも——

  • 甘やかすみたいで抵抗がある
  • やったことがないから、どうしていいか分からない
  • なんだか気恥ずかしい


こんなふうに感じる人も、多いはず。

特に、誰かを支える立場にあるケアラーさんや、家庭・職場で責任を背負っている人ほど、「自分のことは後回し」にするクセがついています。

でも、それでは心がすり減ってしまう。
セルフコンパッションは、その“心のバッテリー”を回復させるツールなんです。

3.はじめの一歩は、「感情を否定しない」こと


自分を思いやる第一歩は、何か特別な技術ではありません。
ただ、自分の感情を否定しない。これだけです。

たとえばこんなふうに:

  • 失敗して落ち込んでいる自分に「そうだよね、悔しいよね」と寄り添う
  • 嫌なことをされた自分に「腹が立って当然」と認める
  • 疎外感を感じている自分に「寂しいんだね」と受け止める


「でも、そんなふうに向き合ったら余計に落ち込みそう」と思うかもしれません。

でも実は逆なんです。
受け止めないから、感情が長引く。
「感じてはいけない」とフタをするから、出口が見えなくなるんです。

4.自分との対話を始めよう


セルフコンパッションは、慣れないうちはぎこちないかもしれません。
でも、やっていくうちに少しずつ、自分との関係が変わってきます。

こんな言葉を、自分にかけてみてください:

「つらかったね」
「今、ちゃんと感じてるね」
「ここまでよくやってきたよ」
「この気持ちは一時的なもの。ちゃんと過ぎていくよ」


これだけで、心がふっと軽くなる瞬間があるはずです。

5.思いやりに「順番」はない


誰かを大切にするには、まず自分を大切にすること。
それは自己中心でも、わがままでもありません。

自分への思いやりは、他人への思いやりと両立できます。
むしろ、自分をいたわることができる人こそ、他人にも本当の優しさを向けられるのです。

6.最後に:あなたは、あなたの味方になれる


この世界で、一番あなたに寄り添ってあげられるのは、親でも、パートナーでも、友人でもなく、あなた自身です。

自分を責める声ではなく、自分を励ます声を選びませんか?

セルフコンパッションは、自分を信じ直す力になります。
誰かのために頑張ってきたあなたにこそ、ぜひ、その力を手にしてほしいと思います。


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