怒りの表現と活用方法
嫌いなこと、苦手なこと、怖いこと、自信がないことは何ですか?
と聞かれればいくらでも思い浮かぶでしょう。出来れば経験したくない。
かといって「やりたくないことリスト」を全部避けようとすると、家から一歩も出られなくなります。それでは好きなこと・得意なこと・楽しいこと・自己実現につながることも出来なくなる。
ネガティブ要素に対しても「やろう!」と思うためにはどうすればいいでしょうか。
1.やろう!が無い場合とある場合
ネガティブ要素を避けて過ごそうとすると、こんな感じではないでしょうか。
予想されるネガティブ要素を避けて目的地(理想)にたどり着くことは、もしかしたら不可能ではないかもしれません。でも避け続けることで回り道は必至でしょうし、場合によっては目的地直前に避けようもないネガティブ要素が待ち構えていて、せっかくあと少し、というところまでたどり着いたのにUターンしてしまう可能性もあります。
逆に「やろう!」という意志を持って進む場合はこんなイメージですね。
ネガティブ要素に対して「やろう!」と決意すると、確かに途中で困難にぶつかります。
嫌な体験をして、傷ついて苦しんで落ち込んで、もしかしたら何かを諦めたり手放したりするかもしれません。ですが目的地へ真っすぐ進んでいるのですから、道に迷うことはなく、目的地直前に困難があったとしても、そこに至るまでに散々経験してきましたから乗り越えるコツも分かってるし、今更怖いとも思わないでしょう。
どちらを取るか、は、その時の自分次第です。
2.やろう!があるとどうなる?
まずネガティブな要素に対する抵抗感が下がります。
やってやろう!と思ったからといって、いきなり不得意分野が大好きになるわけではありません。嫌なものは変わらず嫌です。
けれど「やってやろう!」と思って向き合うことで、ネガティブ要素が「出来れば起きてくれるな」というものから「想定内の事態」に変化します。
想定内の問題やトラブルなら腹がすわります。腹がすわることで不安定な気持ちが落ち着きます。メンタルが落ち着き始めると「やだな、やりたくないな」という抵抗感も減っていきます。
嫌だな、と思っているとその周辺も含めて向き合うことをしません。すると情報が入ってこなくなり、限られた選択肢の中だけで対処しようとします。だから余計嫌になる。
やろう!と思うと気づかなかった情報が入ってきて、選択肢が増えます。その中から自分がこれだと思うものを選んで実行できるようになります。
嫌だな、と思うだけのことなら本来やる必要はありません。嫌だと思いつつ影のように追っかけてくるのは、「嫌だけれど出来ない・やりたくない」こと、つまり自分の義務や役割で、逃げきれないから悩むしストレスになっているのではありませんか?
やろう!という気持ちで向き合えば、厄介な宿題を終わらせることが出来、「出来た!」という体験はそのまま自信と自己肯定に繋がります。
ネガティブ要素を避けまくる生活というのは、安全安心を求めた結果かもしれませんが、実は何の手ごたえもない空虚な毎日です。
例えばうつ病になった人の多くは病院で薬をもらいます。それは「うつ病による抑うつ感を受け容れて生活できるようになりたい」という意志が招いた行動です。ネガティブを避ける生活とは、病院に行かないケースではないでしょうか。
薬を飲まなければ出来なかったことが少しずつ出来るようになり、それ以前よりも生活が充実していきます。
3.やろう!は意志+行動
やろう!という気持ちだけで自分を奮い立たせようとするのは、結構難易度が高いです。
しかし大事なきっかけです。
よし、やろう!と思ったときに、そのきっかけを強化してくれるのは行動です。
それも、今の自分でも出来る、と思える大きさ・難易度の行動です。
家族が病気になった、これ以上悪化したらどうしよう、と不安になったとき。
「医師になって病気を治そう!」と考えるのは、非常に素晴らしい夢ですがあまりに大きすぎて取り掛かれません。
ですが病気の家族の顔を見て、「何かして欲しいことある?」と声をかけることなら出来る、と思えば、それをすることで「やろう」が強化されます。
強化された意志と行動は、また次の意思と行動を引っ張り出してくれます。
ポジティブな循環が回り始めるのです。
4.やろう!を引き出す5大要素
①価値観の明確化
やろう!の第一歩は、自分がどんな価値観(方向性)や目標を持っているのかを明確にすることです。
これには、自分が人生において本当に重要だと感じること、追求したい方向などを考えることが含まれます。
②苦痛を受け入れる
やろう!の意志を持つためには、避けられない苦痛や困難を受け入れる覚悟が必要です。
不快な感情や困難な状況が生じた際に、それを避けずに直視し、受け入れるという態度のことです。
③自己観察
自分の感情や思考、行動を観察し、それらが自分の価値観にどれだけ一致しているかを確認しましょう。
一致していないことに気づけたらそれは大きなチャンスです。恐らく何かを避けた結果かもしれません。
④柔軟性と修正
やろう!という意志には柔軟性も必要です。目標に向かって行動しても、それが思うようにいかない場合、柔軟に修正を行いながら進む必要があります。
⑤セルフコンパッション
やろう!という意志を育てる過程では、自分自身に対して優しさと理解をもつことが何よりも重要です。
失敗や困難に直面しても、自分を責めず、今出来ていることを自分でたくさん褒めて心のエネルギーを溜めていきましょう。
5.まとめ
ポジティブで明るくて楽しい生活が「普通・当たり前」で、ネガティブで不快で辛い生活は「間違っている・異常」だと考えてしまうと、更にネガティブ要素への拒否感が強まります。
どちらもあって当たり前なのです。
ネガティブ要素を避けようとし過ぎると、ポジティブな要素への依存が高まります。依存してしまえば快楽や安心ではなく違う弊害が生まれます。
自分の思考・体験・感情が、ポジティブであれネガティブであれ、受け入れて前へ進めるようになることで、自分が成長出来、ネガティブ要素からの負の産物から解放してくれます。