不安になりやすいのはどうして?

テーマ:心が辛くなったとき

不安になりやすいのはどうして?
年齢性別経験問わず、不安感というのはどこかで感じてしまいます。
健康、将来、人間関係、仕事、お金、天災、世情。
不安が混ざらずにいられる生活上の要素はほとんどないでしょう。
探そうと思えばどこにでも数えきれないほど湧いて出てくるのが不安です。

不安になりやすいのはどうしてでしょう。
特徴や、そのための対策はあるのでしょうか?

特徴① 不安の逆の状態が分からない

不安が途切れず湧いてきてしまう時、「不安がない状態」とはどんな状態か自分がどんな風に過ごしているか、が分からなくなっていませんか?

不安に囚われ続けていると、ごくたまに忘れることがあっても、集中力が途切れるとまた不安について考えます。
不安を感じることが習慣化してしまいます。
すると、不安がない状態の自分がどんな状態だったか分からなくなっていきます。

楽しいことも同じですよね。スマホが手元にあるのが当たり前の現代、スマホが無かった時代どんな生活をしていたのか、忘れている人が多いでしょう。

不安と手を切るためには、「不安を感じていなかった時の自分の生活」を思い出してみましょう。

特徴② 不安は「悪」だと思っている

何かに対して不安を感じる、ということが、何か悪いことをしている、または自分が劣っている・ダメな人間だから不安を感じるのだ、と思っている場合も、不安が途切れることが無くなります。

確かに不安な気持ちを感じるときは、ネガティブな刺激から始まることが多いです。
誰かから批判されたとき、想定外の事態が起きてしまったとき、落ち込んだとき。

自己評価が下がり、「このままではダメだ」と思い、その感情に拍車をかける不安感情自体が犯人に見えてきます。

しかし、不安とは、本来は危機に対するアラート機能です。信号で言えば黄色です。注意しろ、と言われているのです。
道路で黄色信号に遭遇したとき、それは悪でしょうか。むしろ信号もない道で状況への配慮をせず突っ切るほうがよほど「悪い」状態といえます。

不安感情そのものは、辛いけれど「悪」ではない、と考えましょう。

特徴③ ミスは許されないと思っている

いわゆる「完璧主義」の方に多い考えでしょう。
絶対に失敗もミスもやり直しも許されない。
実際にはそんなことなくても、ミスや失敗をしたり、「やり直せばいい」と考えることを自分で自分に禁じてしまう。常に一発勝負で100点満点を目指そうとしてしまう。

どう考えても不安になるのは当然です。
「一寸先は闇」なんて言葉もあるくらい、5分後どうなっているのかすら分からないのが人間なのです。
準備万端整えてステージに立とうとした瞬間に大規模停電が起きたらライトはつきません。
そしてそれは個人が対処出来る範囲を超えた事態です。

ミスを許せないのはどうしてですか?
多くは、子どもの頃からちょっとしたミスやうっかり、忘れ物に対して必要以上の叱責を受け続けた場合が多いです。
必要以上に他者のミスを追及する人は、自分の不安を他者に投影しているだけです。こちらの問題ではなく、本来はミスを指摘している側の問題なのです。

完璧主義、とは、非現実主義者、とも言い換えられます。
ミスも失敗もやり直しも全部アリなのが現実だ、と見方を変えましょう。

対策:不安に対抗するためには?

①二の手、三の手を用意する

1つの状況に対し対策が1つしかなければ、当然「ミスしたら、上手くいかなかったらどうしよう」と不安を感じます。
1つの状況や目的に対して、アプローチ方法を複数用意しましょう。

②唯一絶対の理想を作らない

不安とは、「○○でなければならない」と、未来を限定することで更に強まります。
どんな人でも、将来に対して何も感じない人はいません。緊張感は常にあるでしょう。
不安とは、緊張感の向かう先が「悪い事態」または「想定外の事態」ばかりに向いたときに高まります。
「Aを目指したいけど、BでもCでもDでも大丈夫」と思えることで、必要以上の不安を感じることが減っていきます。

③不安を異常視しない

先述したように、不安とは、危険に対するアラートです。
「もしかしたら~になるかもしれないから注意するように」という、太古から人間に備わってきた本能です。
しかし本能以外の方法で危機状態を回避出来る時代になって、不安がいつしか「あってはならないもの」と異常視されるようになりました。
不安は感じてもいいものです。常より周囲への配慮をしよう、と気を引き締めるために使いましょう。

まとめ

・不安がない時の自分を思い出す
・不安は悪ではない、と、見方を変える
・完璧主義を止める、ミスも失敗もやり直しもOK
・二の手、三の手を用意する
・未来を1つに限定しない

ことが、不安になりやすい時の対処法です。

不安が高まり過ぎて動悸や睡眠障害が起きるようになったら、我慢せず専門医を受診しましょう。体に影響が出るようになったら一人で対処するのは困難です。

また、「正体不明の不安」は厄介ですが、「理由がはっきりしている不安」は逆に対処は簡単です。

例えば健康やお金など、将来に対する不安備えを充実させましょう。
人間関係や災害など、一人で対処できない大きな問題には、必ず協力者がいます。探しましょう。

漠然とした不安も、理由がはっきりしている不安も、どちらも目を背けることで巨大化します。
まずは向き合う、それから対策を立てましょう。

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西岡惠美子プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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