失敗しない自己開示の方法

テーマ:スキルアップ/キャリアアップ

失敗しない自己開示の方法
自己開示とは「自分のありのままを他者に伝える」ことです。
簡単だよ、と思う人もいれば、したくない、恥ずかしい、出来ない、必要ない、と考える人もいるでしょう。

自己開示とはどんな時に役に立つのか、自己開示するために必要なものは何か、どうやって開示すればいいか、を考えました。

1.間違えやすい「自己呈示」

自己呈示とは
「自分を良く見せるために、真実ではないもの、大げさなものを利用して印象操作しようとすること」
です。
自己開示のつもりが自己呈示になっているケースも少なくありません。

自己開示の目的
「ありのままの自分を伝えて受け入れてもらうい、相手との関係を良くしていくもの」
です。
しかし自己呈示しがちな人の目的「自分を良く見せること」です。その目的のために、言うべきことを隠したり、嘘で誤魔化すことも起こりえます。
それでは他者との「良い関係」を築くことは難しいでしょう。

2.自己開示が役に立つときとは

人生において「重要な局面」は度々訪れます。
進学、就職・転職、結婚・離婚、昇進、子の成長、親の老いとの直面などです。
その時に出会う人の中には、将来自分にとって「重要な他者」になるかもしれない人がいるでしょう。
そうした人とは、可能な限り有効な、信頼し合える関係を築きたいと思うはずです。

その時に「自己開示」するのか「自己呈示」で誤魔化すのか、で、大きな違いが生まれます。

ありのままを知ってもらおう、と勇気を出したことが、のちの信頼につながります。
そして返報性の法則で、相手からも自己開示の「お返し」があります。
それによって相互理解が深まって、信頼が強まっていきます。
長い時間をかけて、お互いが「得難い関係」になれるのです。

3.自己開示によるメリット

ありのままの姿を伝えるのが自己開示ですから、当然その内容には本人にとっての「隠したいこと」「弱み」「欠点」なども含まれているでしょう。
逆に言えば、そうしたことを隠したり卑下しすぎず「ありのまま」伝えるからこそ、自己開示は意味を持ちます。

デメリット情報は、長い付き合いになればどこかで相手に伝わります。
隠したところで「バレる」のです。これは結構気まずい状況です。

相手にしてみれば、「そんなの聞いてない」「教えてくれなかったのは信頼されていなかったからか」と理解します。
それだけでなく、今までのやり取りの内容もすべて疑い始めるかもしれません。後出しが嫌がられるのはこのためです。

そうした事態を回避するためにも、先に見せてしまうことが重要なのです。
自己開示には、こちらが先に見せることで「信頼を証明する」メリットがあるのです。

4.自己開示に必要なもの

自己開示するつもりが自己呈示になってしまうのはどうしてでしょう。

それは、「相手に少しでも良く見られたい」という欲求の下に「本当の自分なんて知られたくない・見せたくない」という恐怖があるからではないでしょうか。

つまり、ありのままの自分に対して、冷静で安定した自己評価が出来ていないのです。

なので、まずは「今の自分」冷静に分析し、評価してみましょう。

  • 出来ること/出来ないこと
  • 出来たこと/出来なかったこと
  • 好きなこと/嫌いなこと
  • やりたいこと/やりたくないこと
  • 興味があること
  • 今取り組んでいること
  • 欲しいもの


など、出来るだけたくさん、小さなものも含めてピックアップしましょう。
そしてそれを、「良い悪い」ではなく、「自分の構成要素」として捉え直しましょう。
自己評価とは、点数をつけることではありません。
自分で自分のことをどんな人間だと思っているか、を、具体的にとらえ直すことです。

もっと○○だったらいいのに、という願望はあるでしょう。
しかしそれは将来の姿であって、今ではありません。今の自分を理解して「こういう人間だ」と受け入れることが自己評価です。

そして他者が知りたいのも、「立派で格好いい想像上のアナタ」ではなく、「現在の等身大の真実のアナタ」です。

5.どうやって自己開示する?

分析し評価した自分についての情報を、まずはしっかりと把握しておきましょう。
頭の中だけで分析・評価しようとしても、多分すぐ忘れます。そして気をつけないと「○○な自分じゃないと格好悪い、人には話せない」という考えに戻ってしまいます。
出来れば日記などで、後から見返すことが出来る形で整理しておきましょう。

そして、その内容に関わる話を「重要な他者(候補)」と話しているときに、一つずつ・少しずつ開示していけばいいと思います。

例えば小学校の時の話になったとき。
『実は私、吹奏楽部に入ったんだけど、全然楽器演奏が上達しなくて、1ヶ月で辞めちゃったんだよね』
のように。

いきなり全部を開示する必要はないし、一度にたくさんの情報を与えられても聞いた側も処理しきれません。
折角の自己開示も無駄になってしまいます。

一つずつ、少しずつ、スムーズに開示していくことで、相手も受け入れる準備が出来ます。
そして相手も少しずつ「お返し」することが出来ます。

6.まとめ

  1. 自己呈示と自己開示を間違えないようにする
  2. 自分にとって大事な相手にこそ自己開示が必要
  3. 自分から自己開示することで、相手への信頼度を証明できる
  4. 自己開示する前に、冷静に安定して自己評価してみよう
  5. 自己開示するときは、一つずつ・少しずつ・スムーズに伝えるのがコツ


誰かから自己開示されたときの対応も大事でしょう。
もしその時は、「大事な宝物を、他の人には見せないのに自分に見せてくれた」ということを念頭において受け取りましょう。
そうすれば、どんな対応をすればいいのか、は、自ずと分かるのではないでしょうか。

≪オンラインカウンセリング 惠然庵≫
Twitter:https://twitter.com/keizenan
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西岡惠美子プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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